瀬戸内の徳島・吉野川の文化を体感できる“トロッコ列車” 客室やレストランがリニューアルの休暇村南淡路
本格的な秋を迎え、行楽の秋を楽しむ予定の方も多いだろう。そんな時には関西圏からほど近い淡路島・瀬戸内地域に目を向けてほしい。秋の旅の魅力がたっぷり詰まったポイントを取材した。
旅といえば、定番の一つが鉄道。そこでオススメなのが「藍よしのがわトロッコ」だ。
「藍よしのがわトロッコ」は徳島駅~阿波池田駅間で運行されているJR四国の観光列車。吉野川沿いで発展した「阿波藍」をモチーフとした美しい藍色の車体が特徴だ。車両はトロッコと通常車両の2両編成。阿波池田駅側のトロッコ列車は非常に開放的。木の温かみを感じる座席が並び、どこからでも風を感じることができて様々な「香り」を楽しめる。
車窓からは、吉野川とその先にそびえる讃岐山脈の山々の雄大な景色も眺めることができる。運行中は常にガイドが、沿線の見どころや魅力をたくさん説明してくれる。乗車から下車するまで飽きることがない。
トロッコの運転席後方には「かかしの町」祖谷をイメージした老夫婦のかかしが置かれており、ただ景色を楽しむだけでなく、地域との関わりも持つことができる。特に小島~貞光駅間では、沿線の住民がボランティアで歌や踊りで見送ってくれる。
地元のものを使った食事も外せない。「藍よしのがわトロッコ」では弁当を予約できるが、人気なのが徳島県の地鶏「阿波尾鶏」を使った「阿波尾鶏弁当」。もも肉を照り焼き、むね肉を塩焼きで仕上げ、錦糸玉子が敷き詰められたご飯や山菜がいただける彩り豊かな逸品だ。車内から仕切りのない絶景を見ながら美味しい弁当を食べると、とても開放的な気分になる。
他にも車内では徳島県特産のサツマイモのスイーツや、特産物を使った飲料も販売されており、徳島を一気に楽しむことができる。
取材時は、あいにくの雨で、トロッコ内にも度々雨や水滴が吹き込んできた。そんな時でも大丈夫なのがこの列車のもう一つの特徴だ。徳島駅側の列車は、通常タイプの車両で座席が用意されている。座席番号はトロッコと共通で、座れないなんてことは起きない。荒天時でも雨風を確実にしのぎながら、ゆっくりと弁当や景色を楽しむことができる安心感もこの列車の隠れた魅力だ。
「藍よしのがわトロッコ」は土日祝日に運行。徳島駅から阿波池田駅へ向かう下りを、進むにつれて吉野川沿いの里山の景観を楽しめるため「さとめぐみの風」、阿波池田駅から徳島駅へ向かう上りを徳島の繁栄や文化の花開いていくさまを「かちどきの風」として運行している。今年は11月までの運行となっており、来年は3月下旬からの運行再開を予定している。
トロッコ列車に乗車できるのは石井駅~阿波池田駅間。弁当は「高松駅弁オンライン予約サイト」から3日前までに予約できる。
是非とも泊まってもらいたいのが、7月にリニューアルオープンした「休暇村南淡路」だ。鳴門海峡からほど近く、福良の町の高台にあり、淡路島唯一の天体台を備えているなど魅力たっぷりの施設だ。
リニューアルしたのは最上階5階の客室と2階のレストラン。客室は「露天風呂・テラス付きプレミアム和洋室」2部屋、「シャワーブース付き和洋室」4部屋、「和洋室(トイレ付)」8部屋が新たに誕生。「プレミアム和洋室」はどちらも鳴門方面を向いており、客室内は広々として、テラスや露天風呂から、鳴門海峡や大鳴門橋を眺めることができる。晴れていれば、鳴門海峡の向こうに沈む夕日も楽しめる豪華な一室だ。さらにはミニキッチンや、洗濯機も設置してあるため、長期滞在でも問題なく過ごすことができる。
「シャワーブース付き和洋室」も4部屋すべてが鳴門方面を向いており、雄大な景色を楽しむことができる。「和洋室(トイレ付)」は全室が福良湾に面した部屋となっており、福良の町を眼下に望める。さらにこちらでは山並みから昇る朝日も見ることができるため、鳴門向きの部屋とはまた違った魅力がある。
リニューアルされた客室には特典も付いている。1階にあるスターラウンジにはワインスタンドがあり、500円でワングラス楽しむことができるが、なんとリニューアルした客室に宿泊すれば、ワングラス無料でワインを飲むことができる。取材時には赤ワイン3種類、白ワイン3種類に加えて、お菓子まで用意されていた。まさに至れり尽くせりといったところだ。
リニューアルされたレストランの座席は「イーストサイドエリア」と「ウェストサイドエリア」に分かれ、違った趣で食事を楽しめる。「イーストサイドエリア」は大きなガラス張りで福良湾を眺めることができる開放的な食事スペースになっている。一方で「ウェストサイドエリア」は全席が仕切られ、落ち着いた雰囲気。別料金での予約が必要だが、個室を使うこともでき、プライベートを重視したつくりになっている。
肝心な夕飯はビュッフェもしくは、コースから選ぶことができる。ビュッフェには淡路産の食材を使った料理の他、さまざまな料理がテーブルに並べられている。中でも淡路産の玉ねぎを丸々使ったおでんは出汁と玉ねぎの旨みが組み合わさり、非常に美味。さらに、ライブキッチンも設置されており新鮮な食材を使った刺身や寿司や、淡路牛のステーキを目の前で作ってくれた。11月からは淡路牛のステーキに替わり、淡路島えびす豚の塩焼きを焼きたてで提供している。他にも鳴門金時をふんだんに使った生しぼりモンブランも絶品。多くのスイーツも用意されているため、大人から子どもまで心ゆくまで食を堪能できる。
コース料理は11月から淡路島特産の「淡路島3年とらふぐ」を中心に「淡路島3年とらふぐプレミアムコース」、「淡路島ふぐコース」の2つが用意されている。通常2年で水揚げされる養殖ふぐを3年まで育てることで、濃厚な味となる特別なふぐを満喫したい。
朝食はビュッフェとなっており、約60種類の料理が用意されている。座席は自由席で、空いている席で食事をすることができる。夜とはまた一味違った朝らしい料理が並び、中には自動で作られるパンケーキや、ここでも淡路産の玉ねぎを挟んだハンバーガーも食べることができる。夜も朝も地域特産の食材を違った方法で楽しめるのが休暇村南淡路の食事の特徴だ。
お風呂は「南淡温泉」を源泉にした温泉が使われており、さまざまな効用が期待できる。内湯と露天風呂の2つの湯船はちょうどいい湯温となっており、外を見れば鳴門海峡の絶景を望め、天気が良ければ夕日も見ることができる。ボディーソープなどのアメニティも充実。夜は12時まで、朝は5時からと、長い時間心ゆくまで満喫できる。
他にも淡路島唯一の天文台を利用した天体観測「スターウォッチング」は毎日開催、土日の朝7時からは30分ほどのお散歩会もあるなど、休暇村南淡路ならではのイベントも用意されている。
休暇村南淡路の周辺にも観光スポットがあり、大塚国際美術館は必見だ。同美術館は、1998年に開館。徳島県鳴門市にあり、陶板に絵画の色を転写して絵画を再現した世界初の「陶板名画美術館」。26カ国約190か所の美術館などにある1000点余りの名画を再現し、1か所に集結した唯一無二の美術館。レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」や、ゴッホの「ヒマワリ」といった教科書などで「見たことある」と言いたくなる作品のすべてが原寸大で複製されている。本物を見学するとなると、何か所も回らないといけないうえに、時間制限があったり、離れた場所からしか見ることのできない作品も、ここでなら一度に間近で何時間でも見ることができる。
他にも鳴門海峡の渦を真上から観察することができる「渦の道」といった多くの観光地が瀬戸内には存在している。秋の行楽には、ここでしか楽しむことができないことがたくさんある瀬戸内エリアを強く推していきたい。
