廃校になった幼稚園や中学校がアートの舞台に ~瀬戸内国際芸術祭
瀬戸内海の島々を舞台に3年に1度開催される現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」の春会期が香川県を中心とした各会場で開かれている。2010年に始まった国際的な芸術祭は今回で6回目。「海の復興」をテーマに掲げ、アーティストの作品と通して、瀬戸内の島々の魅力・文化の交流が話題を呼び、春・夏・秋の期間中には国内外から約100万人の人々が訪れている。全部で17ある会場のひとつ、「瀬戸大橋エリア」に新たに加わった、坂出市の瀬居島(せいじま)を訪れてみた。
島といっても1960年代の埋め立て工事で陸続きになっている瀬居島。人口は約500人だという。廃園や廃校になった幼稚園、小中学校などを中心に、瀬居島プロジェクト「SAY YES」と称し、島全体で16人のアーティストの多様な作品が展開されている。
まずは旧瀬居幼稚園を訪問。思わず「なんじゃこりゃ?」と目が点になった。乱雑に積み重ねられた椅子や机、水槽や遊具、自転車などが無造作に置かれている。よく見ると、しっかり固定されていて、その全てが展示作品なのだという。瀬居島プロジェクトのディレクションを務め、作品を手がけた中﨑透さんによれば、島にゆかりのある人々から聞き取った言葉をモチーフに、地域の歴史や人々の小さな出来事が入り交じった物語を表現しているそうだ。それを聞いて改めて作品を見ていると、昔、島で暮らしていたであろう人々の息づかい、幼稚園ではしゃぐ子供達の幻影が脳裏にイメージされ、自分の幼稚園時代も思い出し、懐かしくもあり不思議な気持ちになった。
続いて幼稚園のお隣にある旧瀬居中学校へ。昨年3月で廃校になった中学校全体がそのまま作品の展示会場になっており、屋上を含めた4フロアで8人のアーティストの作品がぎっしり詰まっている。放送室、図書室、美術室、理科室…。学校の備品を活用した作品が多く展示されている。黒板や掲示板、時間割表など、“廃校になりたて“だからか、中学校の息づかいもそのまま感じられ、今にも生徒が教室から飛び出してくるようだ。訪れる人の学生時代の思い出をくすぐる演出も楽しい。
屋上に上がると海に囲まれた島のパノラマが広がり爽快な気分に。ふと足元を見ると、白いマシュマロのような作品がいくつも点在している。
瀬居島プロジェクトのディレクションを務める中﨑さんが、初めて島を訪れた時、工業地帯と島の風景、瀬戸大橋に沈む夕陽を見て、90年代の某ドラマの主題歌が頭の中を流れ、「余計なものなどない」と感じたという。なるほど、だから「SAY YES」か…。確かに、不思議なアート作品がまるで見る者の感性を試すようにうったえかけてくるし、普段の生活では絶対感じることがないインスピレーションを作品や学校、島の風景を見て感じ、豊かな気持ちになる事は確実だ。
プロジェクトの公開は25日まで。何度も言おう。思い出とアートと感性は死にましぇん。
◆瀬居島アクセス
・瀬戸中央道「坂出北IC」から約15分。旧瀬居中学校近くに無料駐車場あり
・JR坂出駅から芸術祭シャトルバスあり
・島内移動は芸術祭シャトルバス又はレンタサイクルがオススメ
★瀬戸内国際芸術祭公式サイト https://setouchi-artfest.jp/
【「瀬戸大橋と瀬戸内の多島美を満喫!」~「休暇村 讃岐五色台」がリニューアルオープン~】
瀬戸内の芸術を堪能したあとは、「休暇村 讃岐五色台」に泊まってみたい。1963年に開業した、標高400メートルの高台に建つリゾートホテルは、今年の3月27日にリニューアルオープンしたばかり。眼前に広がる瀬戸大橋と瀬戸内の多島美が自慢だ。新たに設置されたアウトドアリビング「水鏡のテラス」は約400㎡の空間に、香川県の絶景スポット「父母ヶ浜」をイメージした水鏡を再現。夕暮れ時には瀬戸内海に沈みゆく夕陽に水面が照らされ、インスタ映えは抜群。宿泊者限定なので、眼前にまたがる瀬戸大橋の雄大なパロラマを独り占めできる。大浴場「瀬戸内天空の絶景風呂」も注目。約15メートルの連続した内湯・露天風呂のどちらからも瀬戸内の眺望が堪能でき、海や景色と一体化した気分になる。「特に日の出と日の入りの時間は最高ですよ」と総支配人の石橋正浩さんもオススメだ。
そのほか人気のオープンキッチンでは地元の食材にこだわった「香川のうまいものビュッフェ」や、デザートビュッフェも大好評。瀬戸内の眺望を楽しみながら、海の幸を思い切り楽しみたい。
5月14日には2部屋限定のプレミアム和洋室「瀬戸内テラス」もオープン。新たな魅力が増したリゾートホテルでゆったりとした時間を過ごしたい。
・大人 1泊2食 14500円~(海側、山側、部屋タイプ、シーズンによって料金が変わる)
・JR高松駅・鬼無駅から送迎バスあり
・問い合わせ ☎0877470231
・公式HP:https://qkamura.or.jp/goshiki/index.asp
