「代理戦争」も熱くいく?
【7月23日】
雑誌「Number」が「巨人×阪神」と銘打った号で原稿の依頼があった。ちょうど10年前のこと。お題はG番と虎番のキャップ対決。タイトルは「もうひとつの伝統の一戦」だ。
伝統の戦いは球場だけで起きているのではない。毎朝、報知VSデイリーの代理戦争が勃発しているのだ。そんな両紙の“斬り込み隊長”が誌上で対峙した-。
伝統誌の編集者がそんなリードをつけ、当時虎番キャップだった僕と報知のG番キャップが見開きでコラムバトルを展開した。中身は、双方船出したばかりの新指揮官へのエール。虎は金本知憲。Gは高橋由伸。報知軍のキャップはこんなふうに書いた。
「監督の手腕が勝敗を分ける。冷静な将の方が勝負どころで強いはずだ」
熱い金本。クールな由伸。そんな設定でG将を推す一方、チクリときた。
「阪神の若手は監督の目を気にしてビクビクしていないか?」
遊び心を交え、煽りもする敵軍のそんな筆に負けじと僕は…
「ウソのないバイタリティは部下に響く。金本阪神の印象を『特にありません』とクールに話した由伸監督とは対照的だ」とやった。
さて、あれから10年。アニキと由伸が蒔いた種は…いや、それよりも、今もし同じ企画があればどんな「代理戦争」になるのか。巨人軍の指揮官が阿部慎之助から橋上秀樹に代わって間もなくふた月。90年以上の球団史で初めて巨人でプレー経験のない将が指揮をとる違和感(?)はどこかで歪みがくるはず。それでいいのか?巨人軍。監督代行に罪はないけれど、もし優勝すれば外様監督の胴上げ?いやいや、その心配はご無用…。10年前の筆っぽく煽るとすれば、こんな具合だろうか。
橋上が阿部政権のオフェンスチーフコーチに就いたのは、阿部の安田学園高の先輩でもあったから。しかし、ヤクルト時代を含め、僕はこの人と全く接点がない。人となりも分からない。ベンチでの様相を見る限りはクールっぽい?いや、実はウラでは熱い?
さて、きょうから球宴前ラストの伝統の一戦。巨人に限らず、よく他の担当者から聞かれるのは、虎将藤川球児の人となり。熱いのか、熱くないのか?そう問われれば、勝負どころは熱い。だって、スローガン「熱覇」だよ。では、その将のもとで戦う虎戦士は?
おとといのDeNA戦で、ミスした直後にグラブを投げた森下翔太の激情について賛否が飛ぶ。色んな意見があっていい。が、あの行為を涼しい部屋で揶揄し、けなすだけの取材者にだけはならないでおく。そういえば、巨人の山﨑伊織が前カード広島戦でベンチを蹴り上げ怒りをあらわにするシーンを映像で見た。何に対しての怒気か分からない。が、アスリートが「本気」でやってりゃ熱くもなる。そんな選手や監督の激情を「アンガーマネジメントが~」と冷静ぶるライターに限ってお前がな!とツッコまれる滑稽さは茹だる季節にこたえる。1差で迎える炎暑の首位攻防。「もうひとつの伝統の一戦」も熱くいきましょ。=敬称略=
