敵陣が狙う「次第」の危うさ

 【3月15日】

 侍ジャパンが連覇を逸したことで様々な媒体の検証記事が溢れる。なぜ、勝てなかったのか。そんな類いだ。担当記者が迫る舞台裏に興味が湧くが、さて部外者の筆者は何を書こうか。

 今回の代表が招集された頃を思い返してみる。戦前によく書かれる「連覇のキーマン」は誰だったのか。「誰次第」と言われていたのか。解説者の中に「近藤健介だ」と語る人もいたが、これだけハイクオリティーの選手が集まれば、「○○次第」という言い方はされない。「次第」という場合、概して「未知数の危うさ」が伴うからだ。

 「次第」があるとすれば、NPBの選手が慣れない「米ルール」への対応か。なんて言われたりもしたけれど、それもNetflixで観戦する限り全試合を通して「危うさ」を特筆するほど感じることはなかった。ただ、敗れたベネズエラ戦を振り返って敢えて書けば、「不慣れな」ルールの心理を相手にうまく突かれた感はあった。

 侍ジャパン1点リードの六回だ。この回から登板した伊藤大海が先頭E・トーバーへ2球目を投じる前にピッチクロック違反を取られ、「ボール」が宣告された。結果としてカウント負けし、3-1から痛打されてしまう。

 さらに後続のG・トーレスを迎えると、伊藤は1-1から一塁へけん制球を投げる。この直後、かつて巨人でプレーした一塁ベースコーチH・パーラがトーバーへ長い耳打ちをしていた。もう、けん制はこない。いくぞ。そんなヒソヒソ話が聞こえてきそうだったが、やはり3球目にスタート。エンドランの格好で一、三塁とされた。ここで日本は同点オッケーのゲッツー態勢を敷いたが、ゲームの流れとは怖いものだ。W・アブレイユに失投を許してもらえず、逆転3ラン被弾。2点を追う展開になった。

 「ピッチクロック」や「けん制は2回まで」のルールはMLBでは23年から施行され、3年経過した。今大会を契機に、NPBがすぐ国際基準に合わせるどうか分からない。が、もし「WBCで勝つ」ことを命題とするならばルール改正は必然かもしれない。

 井端弘和が試合後の会見で言った通り、確かにベネズエラ打線は「ストレートに強かった」。仕掛けも早いし、あの打線を向こうに回せば、ファーストストライクを取る難しさを感じる。ピッチャーズスタジアムであれだけスタンドに放り込まれるのだから。

 さて、筆者は広島の知人に誘われ、肌寒いマツダスタジアムのスタンドでこれを書いている。カープ戦の前からスマホでNetflixにかじりつき、あぁ、とか、おぉとか言いながら。

 もちろん目の前の試合はしっかり見た。勝った新井カープは、今季「新人次第」という声も聞こえる。一方の阪神はどうか。不確定なポジション次第?いや、以前書いた通り、虎将の腹は決まっていると思う。ショートは小幡竜平が軸になる。C・ディベイニーの打撃への期待は「大きい」と聞くが、守備の要に「○○次第」が付く危うさを球児は選ばないのでは…。部外者の読みだが、どうだろう。=敬称略=

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