岩崎優が乾貴士に倣うこと
【2月6日】
岩崎優がブルペンの投球間隔を意図的に詰めていた。ファームキャンプの具志川を覗けば、34歳がちぎっては投げ、ちぎっては投げ…。計100球をあっという間にフィニッシュした。
テンポの良さが際立った。全身の筋力、また心肺機能も実に若々しく映るわけだけど、彼ほどの実績ある投手がはや第2クールの初日にこれをやる意味をシンプルに知りたくなった。
そういえば、思い出した。岩崎が1月の自主トレで「今年は走る量を増やしたい」と話していたことを。走量は例年同時期の倍以上。そう聞いて勝手に「なるほど…」と察した。
ずばり乾貴士効果だ。いや、それはあくまで元サッカー担当の思い込み。「『取材』ノート」にはならないので本人に話を聞かせてもらいたい。
「サッカー王国」静岡で生まれ育った岩崎は生粋の清水エスパルスファンである。昨年まで清水に所属した元日本代表・乾との対談動画は虎党にも親しまれているが、そこで語られる37歳の乾と34歳の岩崎、一流のこだわりにいつも唸らされる。
滋賀出身の乾は昔から阪神ファンで幼い頃は野球をやるかサッカーをやるか「迷った」という。でも、岩崎は迷わなかった。理由のひとつが「走るのが好きじゃなかったから」。
その岩崎が僕に言うのだ。
「去年、乾さんがエスパルスのキツい練習が終わった後に僕らの自主トレに来て、一緒に練習して、そこですごく走る…まだまだ走れるんですよ」
分かる。サッカー担当時代に代表選手たちの「スタミナお化け」のインターバル走を何度となく見てきたので。
「これがまず一番大事なんだろうなと思って…。長くやるためには走ること。走れなくなったらおしまいっていう感覚が自分にもあるので…。それはサッカーも野球も一緒かな、と」
藤川阪神2年目の不確定要素がいくつかあるので自分なりに消化したい。そのひとつが今年はクローザーを誰がやるのか。当然すべては指揮官のジャッジになるわけだが、この時期に岩崎の調整を見ておきたかった。勝手に球児の胸を想像すれば、岩崎が万全なら…そんな思いがあるのではないか。
独創の筆はさておき、岩崎との会話を続ける。
走量を増やしたのは、乾を見て?
「乾さんを見て…なくもないかな。とにかく、レストの時間を短くしてやりました。去年(乾が)『レストがこれだけあれば余裕っすよ』みたいな感じで言ってたので…。今年は乾さんは来なかったですけど、僕もレストを短くしてたくさん走るようにしました」
これが冒頭のアンサーに行き着く。
さて、レストを詰めたブルペン投球にはどんな意味があるのか。
「テンポよく投げて体に染み込ませる感じですね」
1月のレストを詰めたランニングがこの投げ込みに繋がり、活きている。
「活きてるかどうか。でも、活きていてほしいですけどね」
今年清水から神戸へ移籍した乾が当欄を見ていたら喜ぶかも。=敬称略=
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