迷い虎にならぬ学び
【1月26日】
迷子鳥を探しています-。
西宮の自宅に写真付きのポスターが投函してあった。鳥の種類はオカメインコ。体重は110g。性格は慎重。ほっぺが赤い。「噛まない」そうだ。
「どんな情報でも連絡ください」。飼い主さんのケータイ番号も記してある。気持ちが伝わってきたので紙面で呼びかけてみる。見掛けられた方は筆者のSNSまで…。
目撃情報の地域を見れば、最後に鳴き声が確認されたのは岡田彰布邸の近く。名前は「きいろちゃん」。なんだか他人事ではない。近所で暮らすタイガースの関係者にも聞いてみた。
「そのポスター入ってました」「見掛けたら風さんに連絡します」。迷い鳥なんてなかなか聞かない。最近は迷子の子猫ちゃんも聞かなくなった。
さて、当欄は迷わずに仔虎の取材をひとつ。この時期にSGLを訪ねれば多くのメディアの熱視線を浴びながらルーキーたちが汗を流している。僕らの見える範囲は限られているし、彼らの一挙手一投足までべったり取材することはないけれど、彼らとすれ違えばいつも感じるのは挨拶の気持ちよさ。
ルーキーたちは僕の顔なんて知らない。でも、明らかに目上であることは分かるだろうから会えば目を見て…。
こんな光景に触れれば、阪神球団の新人教育が気になる。もちろん礼儀は中学や高校、大学で身につけたものも多いし、タイガースに入団したから云々を書くつもりはない。
が、阪神球団の新人教育が実際にどんなカリキュラムで行われているのか気にはなる。1月5日に入寮したルーキーは28日の先乗り自主トレ出発までの間、SGLの施設でほぼ毎日といっていいほど座学に勤しんでいる。
栄養学、メンタル講習、経理、社会人研修…これらタイガースの新人研修の現スタイルは20年から始まった。7年前に旧スタイルから刷新を模索し、西武、ヤクルト、中日、広島、DeNAなど他球団の研修をヒアリング。外部講師の招聘も決めた。19年ドラフト入団の西純矢、及川雅貴らの世代から現研修を継続し、オフ・ザ・フィールドの心得をまずこの期間に学ぶ。
育成含め、NPBには約1000人の選手が鎬を削る。が、そのうち250人以上が毎年やめていく。「それだけ厳しい世界に入ったんですよ」。講師からそんな事実を伝えられ、さらに「構想外の理由は、実力不足、怪我、不祥事など…」。リアルも研修で説かれる。ほかにもSNSの対策からテーブルマナー、時間、挨拶、言葉遣いまで。上座、下座とは?そんなガイダンスもある。不祥事については、薬物、賭博、女性問題などが取り上げられ、オンラインカジノなど近年の事例を列挙。悪魔の囁き、誘惑が選手生命を奪いかねない旨が教示される。
座学ではシャンパングラスの持ち位置まで教わるそうだが、それもこれもこども達に夢を与える仕事の一環か。マナー、危機管理…迷い虎にならず、まっすぐ野球道へ。ルーキーたちはそんな学びの時間を経て、間もなくキャンプ地へ旅立つ。=敬称略=
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