横浜高前監督の大志
【8月24日】
栄冠が慶応に輝いた甲子園の夏が終わった。優勝メンバーのさらさらヘアやアルプスの大応援団がメディアを賑わせたけれど、やはり激戦の地方大会を勝ち抜いた力は本物。さすが神奈川代表-。
全国各地方の熱戦を堪能してきた僕の概評はそれである。
さて、その23日は甲子園から京セラドームへ…知人と共に虎の勝利を喜んだわけだが、何より癒やされたのは6投手継投のラストを及川雅貴が締めたこと。彼が登録抹消された7月に鳴尾浜へ行ったものの取材のタイミングが合わず…。及川はアレのピースに欠かせない。そう書いてきた当欄は彼が勝ちパで投げればなお嬉しい。
ところで、この夏の思い出を振り返れば、例年以上の出逢いに感謝。なかでも特筆のそれは…
「こんにちは。伊藤将司と及川がお世話になっています」
アポをとってお邪魔したのは、彩星工科(さいせいこうか)高校野球部監督の平田徹である。40歳の指揮官は、僕の現在の担当を名乗るとすぐに教え子の名を挙げ、とても丁寧に挨拶くださった。
平田といえば横浜高校前監督…高校野球ファンには説明不要の名将だ。選手、コーチ、部長、そして監督時代、計14度の甲子園出場経験をもつ、この世界のトップランナーが神戸で新たな挑戦に臨んでいる。監督室には、近藤健介、浅間大基、万波中正、伊藤将司、及川雅貴からそれぞれの差し入れ(多数のバットやボール)が届くなど平田を慕う横浜OBは多い。
彩星?かつて村野工として甲子園出場歴があり野間峻祥らプロ野球選手も輩出…といえばお分かりだろうか。校名新たに平田を新監督に迎えたが、古豪も今は昔。30余年も甲子園から遠ざかり、平田の就任当初はスポーツ推薦がストップし、一般入部の部員が全20人…。定位置のフライ捕球もままならないメンバーを託された。
「この学校に来させてもらったのは本当にラッキーだなと思っています。例えば地方校である程度土台のあるチームを預かれば3年ほどで甲子園のチャンスがあるかもしれませんが、この激戦の兵庫県で、語弊があるかもしれませんが、これ以上弱くなりようのないチームからのスタート。チャレンジとしては、こんなにおもしろいことはないかなと思っています」
今夏の初戦敗退は想定内。心は春へ向かうが、早速開幕したセンバツへの一歩、先の秋季大会初戦では夏の兵庫大会4強の滝川第二を延長の末撃破。次戦をコールドで制し、県大会へ駒を進めた。
平田に招かれ、グラウンド内に設置されたネットの裏側で、ともに紅白戦を観戦させてもらった。
「ダメなチームというのはベンチとフィールドの食い違い、齟齬が多いんです。『お前、そこでそれはないだろ!』みたいなことがよくありますが、それは指導できていない指導者が悪いんです」
虎の教え子もリスペクトする…かつて激戦神奈川を制してきた平田メソッドは、このスペースでは書き切れない。また近いうちに今回の続きを。=敬称略=
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