オリヘッドからの直電
【3月27日】
オリックスのヘッドコーチ水本勝己から電話があった。どうやら僕が先週末の阪神戦に居なかったことで、「心配になったんよ」と気遣わせたみたい。ごめんなさいミズさん、土日シゴト休みで…。
「記事はたまに読んどるよ。球場で顔を見んかったから、どうしたんかなと思ってな。元気にしてるんやったらええんよ」
阪神が次回オリックスと対戦するのは6月半ばの交流戦。パの取材へ出向かない限り顔を見られないので、この時期に会いにいけば良かったんだけど、こちら、彼岸の墓参りもあったりで…。
水本といえば、オリックス監督中嶋聡たっての希望で21年からヘッドコーチに就任し、同年からパを連覇。昨年日本一に輝いた、いわば、もっている指導者である。
広島在籍時代は新井貴浩に付きっきりで指導したことは有名で…と書けば、水本はきっと「新井の練習に付き合っただけよ」と謙遜するが、この二人三脚がなければ新井が名球会打者になることはなかった…というのが、かつてカープを取材した僕の認識である。選手にとっては、ときに口うるさいおっさん役にもなり、しかし、その情熱は人一倍…ってあまり書けば、水本から今度はお叱りの電話がかかってきそうだ。
「新井はどうやろな?」
水本は、やはり、カープ新監督のことも気になるようだ。
「俺が言うことじゃないけど、あいつの思った通りやれば…」とかつての盟友を思いやっていた。
虎取材が軸の当欄だから、新井カープの近況は詳しく分からないけれど、そういえば、おとといNHKが放送した監督座談会では新井が話題の中心をさらっていた。
「インスタグラマー?それって何なんですか?私、ガラケーしか持ってないもので…」
新井のこの発言に岡田彰布ら他球団の監督は驚いていたけれど、これ、広島界隈では昔から有名なハナシで、僕も知っているし、もちろん、水本も知っている。だから新井とのやりとりは昔から直電かショートメッセージ。本人はそれで困ったことはないのだろう。
最近、水本と新井が連絡をとったかどうか知らないが、僕が新井の近況を知らせるとすれば、カープのキャンプにお邪魔した時のことくらい。1、2軍の情報共有の重要性を聞けば、ガラケーが支障になることもなさそうだ。
「1、2軍の連携というのは、すごく大切にしています。全員で戦って、全員で勝つと言っているし、長いシーズン、何が起こるか分からないので、コミュニケーションを絶やさずにやっていこうと思っています。全員野球です」
新井は僕にそう語っていた。
ちなみに阪神の1、2軍は、取材の限り、ヘッドコーチ平田勝男とファーム監督の和田豊が連絡を取り合い、その内容を平田が岡田に伝えているそうだ。情報共有のためグループLINEを活用している球団もあると聞くが、カープはどうだろう。果たして、僕が新井監督をLINEの友達登録する日はくるのか…。=敬称略=