打球が全く飛ばない
【2月16日】
中日監督の立浪和義から清宮幸太郎が指導されていた。やせたら打球が飛ばなくなる-ビッグボスに漏らした不安を立浪にも伝えたかどうか知らないけれど、その不安は「間違いではない」そうだ。
かつて阪神でもトレーニング指導に携わった平岡洋二は言う。
「同じ技術なら、体重があるほうが無いよりも飛距離は出る。単純に飛距離だけでいえば、それはもうはっきりしているから」
清宮が「弟子入り志願」した柳田悠岐が、学生時代に平岡の指導を受けた話はきのう書いた。その平岡と話す機会があり、清宮の話題を振ってみると、「選手によっていろんな条件があるので一概にどうこう言うのは難しいよ」と、ビッグボスの提案を頭ごなしに否定することはなかった。そのうえで中田翔の例を挙げた。
「翔の場合は、やせたら飛ばなくなったのを実感していたよな」
中田も平岡のもとでトレーニングしたひとり。実は、中田が初めて平岡を訪ねたとき僕はその場に居合わせた。日本ハム入団3年目のオフである。「打球が飛ばなくなったんです」。中田はそんな悩みを平岡に打ち明けた。その後、同じく平岡のジム「アスリート」に通う同級生の丸佳浩と切磋琢磨し、トレーニングに励んでいた中田の姿が懐かしくもある。
そんな中田が昨シーズン巨人へ移籍し苦しんだわけだけど、正直その体型、シルエットは彼本来のそれではなかった。
「やせてるよな」と、平岡は苦笑いしていたし、実際、中田はこんなことを漏らしていた。
「打球が全く飛ばない」
聞けば、昨年は故障後、20キロ近く落ちていたという。それだけ減量してはっきり気づかされた打感の違い。飛距離の違い。
このオフ、中田の増量報道が、ちょうど「清宮減量指令」と重なったものだから、なんだかビッグボスへの当てつけみたいに聞こえたけれど、事実は違う。
中田は、92~93キロまで落ちた体重をオフに112キロまで増やしてキャンプイン。「20キロ増量」報道はインパクトがあったけれど、中田からすれば、サイズを全盛期に「戻した」にすぎないのだ。
メシも増やしたという。ただ、誤解なきように書けば、中田はトレーニング、特に下半身を強化したうえで食って筋量を増やした。
かつて、NPB時代のダルビッシュ有が「アスリート」を訪れたときも僕はお邪魔していたけれどそのとき、ダルビッシュは平岡にこんなことを話していた。
「教わったことをチーム(日本ハム)に持ち帰ります。中田にもしっかりやるように言いますよ」
岡本和真=185センチ、96キロ
村上宗隆=188センチ、97キロ
NPBの公式プロフィルでこの2選手のサイズを見ても、中田の184センチ、112キロは目を引くもの。しかし、平岡が「選手によっいろんな条件がある」というように、清宮と異なるのは、中田はこのサイズで実績を残した〈エビデンス〉があるということ。続きは次回。=敬称略=
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