SもGも凌ぐ成功率

 【12月1日】

 阪神のどこが成果主義なんや!

今年もエラーが一番多かったやないか。何年も成果が出ないんやから、コーチに責任取らせるのが成果主義ちゃうんか。ヨイショ記事か?裏でもあるんか?

 きのう、阪神の成果主義はしっかりしていると書いた。だから、そんなお叱りを受けるかも…。

 でも、ヨイショなんてとんでもない。長年ご愛読の方は分かってくださるはずだけど、当方おべんちゃらもできないし、おべんちゃらに長けた人間も苦手。裏の裏まで読んでくださらなくても、ホンネしか綴りませんので。

 背広組のハナシを書いたつもりだったけれど、確かに、コーチ人事もフロントの仕事だからしっかりとコーチを見定めるのも成果になる。そういう意味で、フロント陣にとって冒頭の声などは気に掛かるもの…かもしれない。

 続々と発表されているシーズン後のコーチ人事をおさらいすると2軍は入れ替えが多くなった一方1軍はそのまま。無風である。

 ん?これでホントに終わり?

 そう思っている読者にはっきり応えなければならない。

 終了です。5人のコーチが退団したファームは、新たに4人のコーチが新加入。つまり、ひとり減になった。野手総合コーチ清水雅治も去ったわけだけど、清水に代わるチーフ格は置かないのか?

 置きません。年齢的にも、キャリア的にも、藤井康雄1、2軍巡回打撃コーチにそのあたりの役回りも期待されているので。

 では、本題。

 1軍の守備走塁コーチは、なぜそのままなのか。

 まず、僕の認識を書けば、成果が出てきている…からだ。

 「エラーは減らしていかないといけない。それがなければ、優勝も可能だった可能性も十二分にある。そこは監督としても受け止めてやっていきます。ただこれも伸びしろだと思っているので」

 先月、矢野燿大はそう語っていたけれど、同感だ。当欄もダメダメ咎めるのではなく、数字をポジティブにとらえてゆきたい。

 今季の「86」失策は12球団ワーストだった。昨年は「85」失策だったが、今年は143試合で昨年は120試合。1試合平均は0・71失策から0・6失策に減少している。ちなみに、日本一になったヤクルトの1試合平均は0・55失策。本拠が土と人工芝で…いや、分かりきっていることは省こう。

 現コーチ陣をひいきめに擁護するつもりなんてない。ダメなものはダメだし、熱意のない人は見れば分かる。選手とともに汗をかき苦しみ、真摯に取り組み、ようやく成果が出てきたものを腐すのは違うと考えるだけで。

 とかく風当たりの強い久慈照嘉と藤本敦士は「守備と走塁」のコーチであり、久慈に限っては「バント担当」を兼ねたことも忘れてはならない。「走塁」でいえば特筆は盗塁で、リーグダントツの114個。そして、「バント」はといえば、犠打成功率はヤクルト、巨人を上回る・754…。続きは次回。=敬称略=

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