忘れられないカレーの味
【5月27日】
在京メディア、全国のプロ野球ファンが、佐々木朗希の甲子園初登板、プロ初勝利に沸いた夜だ。「取材ノート」として、このトピックをどう扱おうか。そんなことを考えながらPCに向かう。
昨年まで毎春ロッテの石垣島キャンプにお邪魔してきたけれど、コロナ禍の今年は行けなかった。「令和の怪物」2年目の飛躍について残念ながら取材の引き出しが少ない。高校時代含め、佐々木朗希と話したこともないし、公式戦のマウンド姿を拝見するのも、この夜が初めてだ。
さあ、どうしよう。思案しながらツイッターを眺めていると、おもしろい写真が出てきた。
練習後に楽しみにしていた甲子園カレーを食べる#佐々木朗希投手-千葉ロッテマリーンズの公式ツイッターである。
ロッテのベンチ裏を取材してみると、19歳の怪物は、初戦、2戦目と2日連続で試合前に甲子園カレーを食したそうだ。
ビジター食堂のメニューには、ラーメン、うどん(温・冷)、そば(温・冷)、パスタ(ミートソース、カルボナーラ)、そして、甲子園カレーが並ぶ。食事に同行したロッテのスタッフによれば、「甲子園はスパゲティだよ」とアドバイスしてみたものの、佐々木朗希はクスッと笑いながらカレーを注文したそうだ。
カレー好き?
イチローみたい…。
「いやぁ、普通の若者の感覚じゃないですか?」
同スタッフから「またこじつけて」とばかり笑われてしまったけれど、カレーの写真をツイートするだけで1万いいね…もはや、イチローよりカレーの似合う男か。
なんてのはフィールド外の小話として、野球のハナシをすれば、
この試合で当欄の焦点は、阪神が佐々木朗希を攻めた五回2死二塁の場面へ向く。
ここで打席に佐藤輝明が入ると井口資仁が申告敬遠。このときマウンドの右腕の表情が何ともいえなかった。複雑?悔しさ?敬遠なんて人生初だから?そのあたりのコメントはロッテサイドの記事に出るか…いや、僕が書きたいのは敬遠の後である。
得点圏の鬼、梅野隆太郎に好機を託したが、あえなく遊ゴロに倒れた。追加点を取れなかったことで、流れは三塁側へ。野球の神様が怪物にほほえんだ…結果としてそんな見方にもなってしまう。
これで梅野は21打席連続ノーヒット。それを嘆くでも責めるでもなく、彼の浮上を待ちながらチームでどうカバーするか。またカバーできるのが今年の阪神である。
大船渡時代、甲子園に縁の無かった佐々木朗希は今回「聖地」に興味津々だったそうだ。試合前ベンチ裏の通路を歩きながら周囲にこんなことを聞いていたという。
「高校野球の監督、選手が試合後インタビューを受けている場所ってこのあたりですか?」
甲子園は怪物を待っていたのか…本音を書けば、ヒーローインタビューは阪神戦で実演してもらいたくなかった…かな。=敬称略=
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