どのコンビニも同じ
【9月24日】
おい、風よ!お前なぁ、現場で選手を見て、汗をかいてナンボだろう!ラクをするなって!
昨年までなら平田勝男はそう言う。というのも、阪神1軍の移動日、僕は神戸で執筆している。
昭和の…と一括りにしていいか分からないけれど、個人的に、前時代の匂いを残す「勝男節」が好きだ。山口・由宇のウエスタン・リーグを〈遠隔〉で書けば、もしかすると、コロナ禍の今も冒頭のようなお叱りが飛んでくるかも。
平田のことだから、これを読んで電話をくれるか…。あぁ、今はそういうコンタクトもNGだから軽はずみなことは書けない。
通常の取材活動がままならないまま、かれこれもう半年。人数制限なるルールが解かれない限り、オッサン記者はその日暮らしで取材場所を探し、貴重なネタを…いや、こっちの都合は読者にとってどうでもいい。プロセスの説明なんて要らないから、タイガースのそしてプロ野球の今を知りたい。それがデイリースポーツ読者のニーズと思って間違いない。
由宇ではドラ1の西純矢が勝利を挙げ、若虎と若鯉が21年シーズンへ向かって鎬を削った。
読者が気になるのは、やはり井上広大か。思えば、井上がプロ1号を放ったのがこの球場…なんて考えながら、ネットで試合を追うと、4打席連続の空振り三振。当然訪れる壁だから、こちらは「思いきり振ってるな。それでええやん」と思うけれど、本人は悩む。
いつだったか、井上について、平田とじっくり話をした。
守備が当面の課題か?そう聞けば、2軍監督は言うのだ。
「ハハハ。でも、代えないよ。最後まで出させる。打つだけじゃダメなんだぞ、と。打球の目測を誤ったり、ファウルフライを捕れなかったりしたこともあるんだけど、俺は、そこから逃げさせないよ。打って、守って、走れないと高い金はとれないぞっていつも言うんだ。打つだけの選手には絶対になるなよ、と」
とはいえ、「ストロング」は大事。きっと、平田はそう思っている。だから、こう続けたのだ。
「西純矢にも、四球はナンボ出してもいいと言っている。そのかわりこじんまりストライクをとりにいくようなことだけはするな、と。井上にも、三振はナンボしてもいい。そのかわりスイングをしろ、見送りはやめてくれ、と」
会社でデイリースポーツ代表取締役社長・改発博明と話をした。
読者のギモンに応えろ-。
これがシンプルかつ明瞭な改発の理念なのだが、この日はそれに沿って日経紙の読み物を話題に。
こういう切り口が興味深いやないか。こう書けばおもしろい。
そんな「改発節」はきっと、お前、分かっとるよな?と同義と受け止め、そこに自分のストロングをどう加えるか…と考えたり。
日経紙で目を引いたタイトルにこんなものがあった。
どのコンビニも同じ。
ローソンに行かないと買えない商品がないと生き残れない-。
この続きは次回。=敬称略=