12球団No.1の強みを…

 【9月1日】

 完封リレーの夜にこんなことを書けば、おい!吉田!逆転CSを狙う大事なときに、何をKYなことを書いとるんや!と、お叱りを受けるかもしれない。でも、〈直視〉は大事なので書きます。

 今さらだが、我が阪神は今年も優勝できなかった。負けた夜には書きたくないので、申し訳ないけれど、ご容赦いただきたい。

 この時期に「V逸」の論調で当欄を綴ると、いつも勘違いする人がいるんだけど、CSを目指すチームに水を差すつもりはない。

 日本プロ野球に現行のプレーオフ制度がある以上、そこを目指して真剣勝負するのは当然である。ただし、当方のような、外からタイガースを見る者は、数字上限りなくリーグVが難しくなった時点で、一旦、仕切り直しの視点を持つべきだと考えている。

 阪神が今どこへ向かっているのか「分かりにくい」という読者も実際にいらっしゃるので。

 ここ何年も「個人の見解」と断りを入れて書いているが、当欄の関心は一貫して阪神がレギュラーシーズンでテッペンを獲ることに向く。(現制度が改定されれば見解は変わるかもしれないが…)。

 今シーズンの足跡をたどれば、矢野燿大が考える「誤算」は複数あると思う。僕の考えるそれも複数あるんだけど、シーズン前に当欄が「矢野阪神は勝てるかも」と踏んだ最も大きな根拠は、およそ〈想定通り〉であることを改めて記しておきたい。 

 読者の方は、阪神のチーム防御率3・51が他球団と比べてどんな位置にいるかご存じだろうか。本紙の記録部に確かめてみると、セ・リーグどころか、12球団トップである。後出しジャンケンだと思われるのは心外なので、4カ月前の当欄「阪神の投手陣は今年もいい。他球団との対比でそう踏んでいる」-を、いま一度書く。

 ちなみに、4カ月前=4月半ばの成績を振り返れば、阪神のチーム防御率は開幕から5カードを終えた15試合時点でリーグ最下位=4・60。7カードを終えた21試合時点でも最下位(4・29)だったけれど、ペナントレースも第4コーナーを過ぎて、力通りに落ち着いたといえる。とりわけブルペン陣の圧倒的な力が他球団も羨む強みであることは説明不要だろう。

 「(シーズンの序盤は)あまり気にしたことはなかったんですけど、最近はちょっと気にしていますね。あと、どちらかというと、(与)四球は気になります」

 投手コーチの福原忍に、チーム防御率がセ・パ最高であることを伝えると、そんなふうに語った。

 福原が気にする与四球数は、セ・リーグでみれば、阪神は巨人の次に少ないそうだ。(この数字で最下位のカープが王者然とできないのは必然なのか…)

 巨人戦を解説した本紙評論家・岡田彰布は言う。「今のこのチームとしては、こういう勝ち方(がベスト)なんよ。(打ち勝つというより)投手よ」。防御率、与四球…ストロングポイントを最大限に活かす阪神の戦い方とは?今改めて考えてみる。=敬称略=

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