誰よりも阪神を知る外国人とは?オフシーズンは読書で日本野球を学ぶ

 日本のプロ野球はオフシーズンに突入しました。特に若手にとっては、来季に向けた土台づくりの良いチャンスです。ブロガーの僕にとっても、この期間は日本野球の知識を深めるために貴重な季節。主に日本語の本を読んで学習しているけど、やっぱり英語の本だと頭に入りやすい。では、僕にとっての“日本プロ野球本”トップ3を紹介します。

  ◇  ◇

【万歳ベーブ・ルース】(英題・Banzai Babe Ruth)

 厳密にいうと、この本は日本のプロ野球というより、1934年に来日したMLBオールスターチームの旅物語。どう説得してベーブ・ルースを来日させたのか、米国の選手たちが見た日本の印象、戦前の日米の政治的なテンションや試合の流れなどを詳しく、面白く説明してくれる。もちろん、甲子園球場の話も出てきます。

【和をもって日本となす】(英題・You Gotta Have Wa)

 外国人が日本野球を知りたいなら、この本は必読。助っ人選手にも薦めたい1冊だ。30数年前の出版だけど、外から見た日本プロ野球をくまなく描写していて、現在でも当てはまる部分が多い。読み出したらやめられない本だ。著者のホワイティング氏はこれ以外にも面白い本を書いてるけど、この本は彼の傑作中の傑作。日本語版もあるので、みなさんにぜひ読んで欲しい。

【阪神タイガースのスポーツワールド】(英題・The Sportsworld of the Hanshin Tigers)

 実は、先週発売されたばかり。野球中心の内容ではなく人類学系の本で、著者のケリー氏はイェール大の教授だ。70年代に東北の田舎に住んで日本の人類学を研究していて、農夫たちが早朝草野球を楽しむ光景に心を打たれたという。その後イェール大に赴任したが、しばらくしたら日本でさらなる研究をしようと思ったそうだ。どうして野球は、こんなにも日本人に愛されるのか-。この疑問をキッカケに関西へ移住し、3球団(阪神、オリックス、近鉄)を研究。スタートは95年の秋だった。

 この年は野茂が近鉄からメジャー移籍した年で、イチローがオリックスを日本一に導いた年でもあった。それなのにスポーツ新聞の1面を飾ったり、話題の中心になるのは、いつも最下位の阪神。その驚きから、長年にわたって「阪神の世界」に入り込んだ。研究者として特別パスを得て、甲子園球場を隅から隅まで歩き回り、たくさんの人にインタビューもしている。非常に興味深い内容だ。

  ◇  ◇

 実は先日、著者のケリー氏と1時間以上も電話する機会があった。野球は専門分野ではないのに、彼はどんな外国人よりも阪神を知り尽くしている。僕も負けていられない。おかげで、このオフに“猛勉強”する意欲が強く湧いてきた。

◆トレバー・レイチュラ 1975年6月生まれ。カナダ・マニトバ州出身。関西の大学で英語講師を務める。98年初めて来日、沖縄に11年在住、北海道に1年在住した。兵庫には2011年から。阪神ファンが高じて、英語サイト「Hanshin Tigers English News」(http://www.thehanshintigers.com)で阪神情報を配信中。

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