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ベースボールの国から野球の国を訪れた集団 楽しみ方はそれぞれ

ツアー参加者と記念撮影(後列右から3人目が筆者)
レンジャーズ戦の1回、21号先制ソロを放つエンゼルス・大谷=アナハイム(共同)
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 2日のアストロズ戦で約3カ月ぶりに登板し、三回途中49球を投げたところで急きょ降板。試合後にソーシア監督は「心配ない」と報道陣の前で発言したが、その3日後のことだ。エンゼルス・大谷翔平投手の右肘に新たな損傷が見つかり、トミー・ジョン手術の可能性が高まった。本人は態度を明らかにしていないが、少なくとも二刀流は2020年までにマウンドに上がることなく、バッティングに専念することになった。本人は落胆してたに違いない。しかし、次の試合に2ホーマー、1盗塁をマークして打者としてファンを湧かせた。NOMOマニア、イチローフィーバー以来、日本プロ野球が久しぶりに世界の注目を浴びていることに変わりない。

 そんなタイミングで、米国から40人の集団が海を渡った。日本中を回って、野球観戦を満喫。日本のプロ野球を楽しみたくて来日した集団だ。次なる日本人のスーパースター候補を見つけにきたのだと思う。よく「イチロー観戦ツアー」「大谷観戦ツアー」などと日本の旅行社がパック旅行を企画しているが、その逆もあるのだ。

 ツアーグループの名前は「Japanball」。1999年から毎年9月に日本を訪れている。創立者は長らくメジャーリーグに携わる家系出身のボブ・バベシ氏。日本人以外にも日本野球の魅力を伝えたいという思いで始めたという。ツアーは部分参加も可能だが、15日間で全12球団の本拠地での試合を観戦できるようにスケジュールが組まれている。移動日もあり、試合のない日にはバベシ氏が自ら観光地の案内もしてくれる。

 今年は僕もツアーガイドとして参加させてもらった。残念ながら、最初の試合は台風21号の影響で中止になってしまい、2試合だけ担当することになった。台風の翌日に開催された、ほっともっとフィールド神戸でのオリックス-楽天、甲子園での阪神-ヤクルトに同行した。どちらもホームチームが負けてしまったが、ツアーのメンバーは特にひいき球団がないらしく、いずれも楽しく観戦できたようだ。もちろん、大の阪神ファンの僕としては阪神の勝ち試合を見てもらいたかったが…。

 日本が好きで毎年このツアーが楽しみというリピーターもいれば、初めて参加した方もいた。ツアーガイドとして、特に初めての方の意見、印象、そして参加するきっかけを聞くのが好きだ。

 ある人は、3年前に愛妻が急に亡くなり、自分の心を癒すための旅行だと言った。今回が初めての日本で、最高の旅になったという。もう1人の男性は11歳の息子を連れて、大好きな野球を一緒に観戦。試合のない日は、ディズニーランドやUSJで楽しんだ。

 70年代に米軍関係で日本に赴任していた男性もいた。彼は、奥さんと2人で何回も日本に来た経験があり、心から日本を愛しているのが伝わった。オリックス戦で隣に座っていた日本人女性に吉田正尚選手の応援歌を教えてもらっていたのが面白かった。

 残念ながらこのツアーに参加した方々が、次の大谷翔平を発見することはできなかったと思う。よく考えたら、大谷は100年に1人とも言うべき逸材。そう簡単に見つからないのも当然だろう。それでも、日本の野球を通し、日本の文化に深く触れて帰国したに違いない。

◆トレバー・レイチュラ 1975年6月生まれ。カナダ・マニトバ州出身。関西の大学で英語講師を務める。98年初めて来日、沖縄に11年在住、北海道に1年在住した。兵庫には2011年から。阪神ファンが高じて、英語サイト「Hanshin Tigers English News」(http://www.thehanshintigers.com)で阪神情報を配信中。

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