【虎番が書く阪神連覇秘話】前川右京の危機感が生んだ“年中無休トレ” オフも2時間練習、お菓子も制限
デイリースポーツ虎番記者が、球団初のセ・リーグ連覇を果たした藤川阪神2年目の秘話をリレー形式で明かす。
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今季は前川にとって、真価が問われる1年だった。76試合出場で打率・218、5本塁打。当然、満足のいく数字ではないはずだが、オフから今季にかけての取り組みが表れた試合もあった。
記憶に残るのは4月10日の中日戦(バンテリン)。1点劣勢の九回2死一、三塁から一打で試合をひっくり返した。守護神・松山から右翼への逆転二塁打。塁上では感情を爆発させた。7月には月間キャリアハイとなる4本塁打をマーク。チームが首位を走る中で前川も存在感を見せた。
昨季とは違う取り組みの一環が“年中無休トレーニング”だ。昨年までは試合のない日は疲労を抜くことに注力。治療のみで終わらせていたが、今年は「練習完全休みをなくしました」と話す。
オフの日の練習は基本的に約2時間弱。ウエートを約1時間、バッティングを約30分。さらに練習日はバイクトレも加えて脂肪を燃やした。6月時点で昨季94キロだった体重が90キロまで減少。約4キロの減量でスイングのキレも増した。食生活では大好きだったお菓子を食べる頻度を抑え、とっておきのご褒美とした。
これだけ徹底した取り組みは危機感から生まれていた。「1軍も2軍も経験した。いろんな選手を近くで見てきた。こういう選手はもうすぐクビになるとか、活躍するとか大体分かった」。甘えを排除し、活躍することだけを思い描き、バットを振ってきた。
10月16日のCSファイナルS第3戦ではコンディション不良で欠場した森下、佐藤輝の穴を埋めるため、「5番・左翼」で出場。だが死球で左手小指を骨折し、無念の離脱となった。7月にも右肩甲骨を骨折しており、不運は続いたが、来年以降も前川の挑戦は続く。
「今年だけじゃないので。野球人生が続くって考えたときに、貯金として作っておきたいというのもありました」。年中無休で1年を走り抜いたことが何よりも大きい。今年の上積みが来年にも生きてくるはずだ。(デイリースポーツ・河西俊輔)
