阪神・近本 9月絶好調→優勝まで一直線「目の前の試合を勝つだけです」 月間MVPの阪神勢ジャックなるか
「阪神(降雨中止)ヤクルト」(29日、甲子園球場)
阪神は29日、ヤクルト戦(甲子園)が雨天中止となった。巨人が同日の広島戦(東京ド)に勝利し、優勝マジックは4のまま。10月2日の“移動日V”が最短となった。9月は近本光司外野手(31)が月間MVPも狙えるほど打撃好調。頼れるリードオフマンが月間MVPの“猛虎ジャック”とともに、連覇へのラストスパートをけん引する。
追いすがる宿敵は実にしぶとい。甲子園が雨に見舞われたこの日、巨人は東京ドームで広島に快勝。阪神はゲーム差を1・5まで縮められ、10月1日に甲子園で行われる直接対決で優勝を決めるシナリオは消滅した。他球団の勝敗に一喜一憂してしまう今、近本の言葉は実に頼もしい。
「目の前の試合を勝つだけです」。そう、目の前の試合に勝っていけば、おのずと歓喜のゴールテープを切れる。巨人の結果は関係ない。近本が頼りになるのは言葉だけではない。9月はそのバットでもチームを引っ張ってきた。
9月3日から続く連続安打は17試合まで続いており、加えて7試合連続マルチ安打中と、Hランプが止まらない。連続試合マルチ安打のNPB最長記録は1952年の後藤次男(阪神)、54年のルイス(毎日)が記録した「10試合」。先人が打ち立てたレコードにあと3試合まで迫っている。簡単な道のりではないが、セ・リーグトップの月間打率・388と打ちまくる背番号5ならやってくれそうな気配が漂う。
快音量産の末には、月間MVPを猛虎一色に染め上げる可能性もある。今季は3、4月度の月間MVPを高橋と佐藤輝が受賞したところから始まり、8月度にいたるまで5カ月連続で、投手もしくは野手部門のいずれかを虎戦士が受賞。9、10月度も受賞となれば、あまりに美しい“猛虎ジャック”が完成する。
今季は左手首の骨折を経験。7月に復帰するまで、チームにとってあまりに痛い長期離脱だった。藤川監督も月間16勝9敗と大きく勝ち越した8月を振り返り「近本が帰ってきてから非常にいいリズムでゲームが動くようになりました」と実感していたように、当たり前にあった「1番・近本」が消えた期間があったからこそ、その存在感はより明確になった。
9月29日は05年に阪神がリーグ優勝を決めた日。近本は当時10歳。「(優勝した)2003年と同じく関西がすごく盛り上がっていたことを覚えています」と熱狂の記憶は鮮明だ。
9月7、14、15、29日、10月16日…。何年たとうとも、猛虎がリーグ優勝を飾った日は特別な記念日。今年のXデーは10月上旬か。悲願の連覇へひた走るチーム。その先頭で近本が躍動する。
◆連続試合マルチ安打の最長は… 連続試合マルチ安打のNPB最長は10試合で阪神・後藤次男が1952年にマーク。また、毎日のルイスも54年に10試合連続を記録している。近本はNPBタイ記録まで残り3試合に迫っている。
