阪神・近本 打撃好調の理由が判明 構えだけじゃない!相棒のバットも変更 操作性重視型でヒット量産

 復帰後の近本
 負傷前の近本
2枚

 阪神の近本光司外野手(31)が、8月以降本塁打の数を増やすなど打撃好調だ。今季は4月に左手首を骨折。長期離脱を経て7月に復帰を果たすと、打率でも成績は右肩上がり。その裏には、思い切った“相棒”の変更があった。長年サポートしてきた、バットメーカーのヤナセインターナショナル・北村裕さん(51)が裏側を明かした。

 8月9日の中日戦(京セラ)、近本が今季213打席目にして、1号本塁打を放った。ケガでの離脱があったとはいえ、打席数でみても、プロ8年のキャリアで2番目に遅かった。そこから約1カ月で4本塁打。着実に数字を伸ばしている。

 安打製造機らしく、ヒットも量産している。7月~8月にかけては、一時17試合連続安打をマーク。離脱前は打率・250だったが、8月は月間打率・321を残し、現在の打率は・282まで上げてきている。

 ケガの前と後で何が変わったのか-。今季は4月26日の広島戦(甲子園)で死球を受け、左手首を骨折。約2カ月半にわたって戦線を離脱した。苦しいリハビリの間、復帰を見据えバットを変更していた。

 実はシーズン開幕直後から、ヤナセの北村さんにバットの変更を依頼していた。そんな中でのケガ。用意してもらったバットを試す時間があった。打ち込みながら感覚を確かめると、1本のバットに目がとまった。ヤナセの定番・726番のバット。22年に亡くなった先代社長の誕生日、7月26日と同じ数字だった。

 いくつかのバットで迷っていたが、数字を見て「これでいきます」と即決。北村さんは「こだわりがあるようでないのかも。ひらめきがあったんでしょうね」と語る。

 近本はアマチュア時代からヤナセのバットを使用。同社は元々プロへの道具提供を行っていなかったが、社長に直談判し了承を得た。社長への恩義もあり、契約を結んでいた元オリックスの福田周平と、23年の日本シリーズでは遺影の前で記念撮影。プロの頂上決戦での共演を報告していた。

 現在使っているバットは、前の型とどこが変わったのか。長年近本は重心が先寄りにある、いわゆる「トップバランス」を使用していた。一般的には、ボールは飛びやすいとされる。ただ、今回の変更では重心を手元に寄せる「ミドルバランス」になった。より操作性が上がり、率を残すにはいいとされるタイプだ。

 他の選手はシーズン途中でも、状態によってバットを替えることはよくある。ただ、近本は替えてこなかった。理由としては「(同じバットを)使い続けることで、体の微妙なバランスのずれが分かる」ということだった。目の前の結果を追いかけたくなる状況でも、自らの体の状態を把握することに努めていた。

 はっきりとした意図を持って、同じバットを使い続けてきた中での変更。しかもシーズン中にという大きな決断。「年々歳を重ねて、体が変化してきたんだと思う。あれ?あれ?ってことが増えたんじゃないですか」と北村さんは分析した。

 さらに復帰後は、相棒を替えるとともに、打撃フォームも変更。本人は「骨折して、普通にできていた動きができなくなった。打ち方は正直なんでもよかったので、とにかく新しいことに挑戦したかった」と思いを明かしていた。

 プロ入りしてから、ずっと目標にしているのが、シーズン200安打を成し遂げること。今季は厳しくなったが、「ちょっとでも力になりたい。200本やってくれると思います」と北村さんは期待を込める。虎のヒットメーカーには、ともに戦ってくれる強い味方がいる。(デイリースポーツ阪神担当・滋野航太)

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