阪神・下村 7・2初先発で恩返しを 手術から2年3カ月 支えに感謝「元気に投げている姿を見せる」

 阪神の下村海翔投手(24)が2日の中日戦(甲子園)でプロ初登板初先発することが1日、決まった。2023年度ドラフト1位で青学大から24年に阪神に入団。即戦力右腕として期待されながら、同年4月にトミー・ジョン手術を受け、リハビリに時間を費やした。ついに立つことになった甲子園のマウンドで、恩返しの投球を披露する。

 2日の早朝まで降る雨は、下村がきれいな虹をかけるための予兆なのだろう。登板前日、多くの報道陣に囲まれ「緊張とか不安とかの方が大きい」と正直な思いを打ち明けた。決して負の感情ではない。「投げられない時は、こういう緊張感とか不安とか、マウンドに上がれる喜びとかも感じられなかった」。久しぶりに芽生えた気持ちがうれしかった。

 この日の試合は雨天中止。伊藤将のスライド登板という可能性もあったが、藤川監督は「彼の持っている能力が出ることを期待しています」と予定通りに送り出すことを決断した。プロ初先発初勝利となれば21年の西純以来、5年ぶりとなる。

 聖地のマウンドはアマチュア時代も、ファームで過ごした期間も立ったことはない。すでに前売り券は完売。その姿を待ちわびた虎党が背中を押してくれる。「このまま投げられずに終わるんじゃないかという不安もあった。まずここに戻ってこられた、勝負できる立場にこられて少しホッとしている」。あとは恩返しを果たすだけだ。

 リハビリ中、家族やトレーナー、ファンなど多くの人の支えがあった。「それが踏ん張れた要因」とどん底から救ってくれた。「元気にマウンドでしっかり投げている姿を見せることが、一つの恩返しになるのかなと思う」。未完の大器がようやくベールを脱ぐ。

 2軍では5月22日のオリックス戦(SGL)で初登板。6月21日の同戦(豊中)は7回1安打無失点に抑えるなど、4登板で計16回を4失点と防御率2・25の好結果を残してきた。初めて味わう1軍の舞台も、ドラ1右腕なら力を発揮できる。

 先輩たちから金言も授かった。この日の練習前に、同じリハビリ期間を過ごした高橋からは「緊張することは当たり前。そんなに気にしなくていい」と励まされた。大竹からは「調子がいい悪いとか、そこに左右されないようにしっかりやることをやったらいい」と助言された。そんな言葉も心に刻みながら、プロとしての第一歩に向かう。

 「阪神の19番は下村と言われるように」という目標を掲げた、新入団会見から568日。いばらの道を乗り越え、デビューを迎える。「言葉で感謝も伝えたいですけど、マウンドに上がっている姿を見せられたらなと思います」。一つの夢が、長い年月をかけて実現する。

 ◆勝てば西純以来 阪神のドラフト最上位入団投手がプロ初登板を勝利で飾れば、西純以来となる。高卒2年目の21年5月19日ヤクルト戦に先発し、5回無失点で白星を挙げた。なお直近の登板は、25年3月30日広島戦での伊原。中継ぎで登板し2回無失点ながら、勝敗には無関係だった。

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