阪神・森下サヨナラ弾で首位浮上 自身初の聖地2発!キング独走19号 通算勝利打点「49」球団最速に王手
「阪神3-2中日」(30日、甲子園球場)
劇的アーチに甲子園が大熱狂だ。2-2の延長十回に阪神・森下翔太外野手(25)が今季2本目となるサヨナラ本塁打を左翼席に放り込んだ。六回には2試合連発の18号を放ち、試合を決める19号ソロで自身初となる甲子園で1試合2発を記録した。チームはヤクルトと同率で首位に再浮上。森保ジャパンの激闘から約17時間後、聖地に描かれた劇弾に虎党の興奮がやむことはなかった。
何度もほえた。両手を挙げ、ベンチをあおる。聖地に流れる時間も、4万人超えの視線も、自分だけのものだ。感情を爆発させながらダイヤモンドを一周した森下は、本塁手前でヘルメットを放り投げ、歓喜のウオーターシャワーを浴びた。チームを再び首位に導く今季19号。カクテル光線が、びしょぬれになった主役の姿を照らした。
「松山も気合入って(スピードが)速かったので、今までのイメージよりは、真っすぐのタイミング寄り(で待っていた)というか」
2-2で迎えた延長十回1死だ。初球の低めフォークは空振り。2球目の同球種、浮いた147キロは逃さなかった。大歓声とともに舞い上がった打球は、美しい弧を描き左翼席へ。くしくも、7点差を逆転した5月20日の同じ中日戦(甲子園)以来となる、今季2度目のサヨナラ弾で試合を決めた。
これでプロ入り後積み重ねてきた通算勝利打点は「49」に。4年目での到達は中西太(西鉄)、原辰徳(巨人)に並ぶ記録で、球団最速「50」という数字にも王手をかけた。0-1の六回には弾丸ライナーで2戦連発となる同点ソロ。今季16本塁打の佐藤輝を3差に引き離し、“キング争い”も独走態勢に入ろうとしている。
さらに甲子園での一発は8本目と前半戦ですでに自己最多タイと並ぶ数字に。お立ち台では「甲子園で打つホームランが一番気持ち良い」とニンマリ。「甲子園でとるホームラン王は、他球場より、かなり意味合いが違うと思っている」と高みを見据えた。
時にはバットをペンに持ちかえる。進化の過程において「言語化」も重要な要素だと森下は言う。「言語化ができないと、自分の中に落とし込めるところがない。感覚頼りになっちゃうと、どうしても崩れた時に戻る場所がなくなる。僕は感覚だけだと限界を感じたので、頭で考えることを意識しています」。メンタル面も含め、現状を正確に理解するために、とにかくアウトプット。特に、大きな変化を加えるオフシーズンには何度もノートを開いた。
劇的な一撃を放った前の打席では、リーグ最多10死球目を受け、顔をゆがめる場面もあった。それだけ厳しい攻めを受けるのも強打者の証し。「その残像でちょっと落ち込んだ時期もありましたけど」と明かしつつ「そういうところを克服していかないと、もっともっと厳しい攻めは来ると思う。自分の打撃を見つめながらやっていきたい」と、冷静に受け止めた。
甲子園ではプロ初となる1試合2発で、シーズン折り返しを前に20号に王手。それでも「目標にはまだ足りない。気を引き締めながらやりたい」と慢心はない。森下ならば-。虎党の予感を何度も“正解”にするのが、この男だ。
◆プロ2本目のサヨナラ弾! 森下がプロ通算ならびに今季2本目のサヨナラ本塁打。前回も中日戦で最大7点差からひっくり返した5月20日(甲子園)のゲームだった。この試合は七回表終了時点でスコア0-7の7点ビハインド。大量リードを許した状況から打線は七回に4得点、八回に3得点して同点に追いつき試合を振り出しに。最後は同点で迎えた九回の先頭打席で森下が中日6番手・牧野から左方向へサヨナラの11号ソロをかっ飛ばした。
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