阪神・木下 畠緊急降板救った 七回2死一、二塁で4番太田K斬り 藤川監督「チャンス生かした」
「オリックス3-6阪神」(13日、京セラドーム大阪)
投球数は3。その間、わずか1分20秒。ただ、その3球がどれだけ大きかったことか。緊急登板の阪神・木下里都投手が魅せたスーパーリリーフ。157キロの剛速球と雄たけびが、虎にまとわりつく“連敗の空気感”を振り払った。
「緊張したんですけど、難しいことは考えずに、ただただ自分が本当に自信のある球を投げてっていう感じですね」
ヒーローの出番は不測の事態でやってきた。六回に1点差に迫られていた中で迎えた七回だ。この回から登板した畠が右手中指の違和感を訴えて緊急降板。木下が急きょマウンドに上がった。
託された状況は2死一、二塁、打者は4番・太田、カウント2-1。同点、さらには逆転と勢いづく敵地が、場面をさらに難しくさせる。初球が外れて、カウント3-1になり、さらに敵陣が沸き立つ。2球目、フォークをきっちり落としきって空振り。これでフルカウント。ここで木下の頭にあったのは、肩を作っていたブルペンで指揮官にかけられた言葉だ。
「藤川監督も『自信のある球を投げてこい』とわざわざ言いに来てくださった」。選んだのは157キロの直球。自信を持ってゾーンにぶち込んだ。太田のバットが空を切るやいなや、虎党の大歓声を背に木下はほえた。「ほえました(笑)」と、ちゃめっ気たっぷりに振り返ったが、魂の叫びが成し遂げた仕事の大きさを物語った。
送り出した藤川監督は「(緊急登板は)選手にとってはチャンス」と表現し、「監督の立場としては、彼はチャンスを生かしたと思います」と評価。「ピンチはチャンス」をつかみ、連敗を4で止める勝利に貢献した右腕をねぎらった。
試合後は初ヒーローインタビューも経験。「一番緊張した」と笑う表情には、達成感に満ちた汗が光る。先発・中継ぎの両方をこなす今季だが「しっかり切り替えている。難しさはあまりない」と頼もしい。湯浅、門別、そして畠も抹消の見込みと痛い離脱が続くブルペン陣に、火の出るような剛速球が光をともした。
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