阪神・森下 先輩の意地見せた中大後輩・岩城撃ち三塁打 佐藤輝2ランお膳立て「また明日頑張ります」

 「阪神2-3西武」(3日、甲子園球場)

 台風が過ぎ去った甲子園。前夜の喧噪(けんそう)がうそのように、穏やかに吹く夜風が恨めしかった。敗戦に笑顔はない。それでも有言実行の“後輩撃ち”で示した意地。阪神・森下翔太外野手が中大対決を制し、完敗ムードを振り払った。

 0-3の九回、先頭で迎えた第4打席だ。2打席連発を放った5月30日・ロッテ戦(ゾゾ)からドラフト1位・立石の黒いバットを使用していたが、この打席は自身のバットに持ち替えた。対するのは、中大の3学年後輩であるドラフト2位左腕・岩城と1学年先輩である古賀悠のバッテリー。この打席まで2打数無安打だったが、最後まで集中力を研ぎ澄ましていた。

 カウント1-1から外角低めスライダーをすくい上げる。快音とともに左翼方向へ高々と舞い上がった打球は、ジャンピングキャッチを試みた桑原のグラブをはじくと、フェンスを伝って転々。森下は鍛え上げた体を揺らし、三塁へと滑り込んだ。浜風が影を潜めた聖地。あとわずかで本塁打という当たりに、悔しそうに首をかしげた。

 それでもこの一打で、続く佐藤輝の驚愕(きょうがく)の2ランを生み、零敗を阻止。ルーキーながら守護神を任されている岩城について「今は自信がついていると思いますし、なるべく出させない展開が良いですけど、出た時にはしっかり打てる準備をしておきたい」と言及していたが、言葉通り先輩としての威厳を示した。

 チームは28日・日本ハム戦(甲子園)の初回に大山が先制タイムリーを放って以降、44イニング連続で本塁打以外での適時打が出ていない状況。ただ、藤川監督は「タイムリーがどうこうというよりはね、一つ一つ、姿勢ですよね。こちらは強い選手になってもらうために声かけはやっていますけど、それを発揮するのは選手ですからね。それをじっと待つ」とナインを信じた。

 「また明日頑張ります」と短い言葉に思いを込めた森下。虎の若き主砲2人が見せた粘りが、次こそ白星へとつながるはずだ。

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