阪神・下村 涙のプロ初登板 23年度ドラ1が2軍戦でベール脱いだ「感謝の気持ちでいっぱい」
「ファーム・西地区、阪神2-2オリックス」(22日、日鉄鋼板SGLスタジアム)
夜には寒さを感じる尼崎で、阪神・下村海翔投手(24)が懸命に腕を振った。プロ初登板で1回1安打1失点。最速152キロを記録し、場内をどよめかせた。3年目にして初めて公式戦のマウンドを踏んだ。
「マウンドに戻ってこられたのですごくホッとしている。いろんな人に支えられてきたので感謝の気持ちでいっぱい」
同点の八回から3番手で登板した。名前がコールされると大きなどよめきが起きた。先頭を抑えたが、後続は死球、安打、四球で1死満塁のピンチを招いた。迎えた杉本には1球目を暴投し、勝ち越し点を与えた。だが、杉本を遊ゴロ、横山聖も遊ゴロに仕留め、最少失点で切り抜けた。
23年度ドラフト1位で阪神入りも同4月に右肘内側側副靱帯再建術(トミー・ジョン手術)を受け、長いリハビリ生活が始まった。昨年8月に入団後初のシート打撃にこぎ着けたが、同月中の2回目のシート打撃で再び肘の違和感で離脱した。
しかし今年4月には藤川監督の計らいで、甲子園で行われた1軍の試合前練習に参加。今月2日にも同監督が見守る中、甲子園のブルペンで80球を投じるなど、首脳陣からの期待を一身に受けた。9日にライブBPにこぎ着け、15日にはシート打撃に登板。段階を経てマウンドへ戻ってきた。
この日は家族や親戚もスタンドで観戦。試合後は思いがあふれた。「僕よりもホッとしているのは家族だと思う。普段は野球の話を向こうもしないように気を使ってくれていた」。涙をぬぐい、感謝を伝えた。「想像以上の歓声があって、うれしかった。こんなに時間がかかったのに待ってくださった阪神ファンの方々には感謝しかないです」。虎党待望の秘密兵器がベールを脱いだ。
◆トミー・ジョン手術(24年4月11日)右肘内側側副靱帯の再建手術(トミー・ジョン手術)を受け、退院。ルーキーイヤー登板は絶望的となった。
◆キャッチボール再開(同年8月27日)術後初めて屋外でキャッチボール。時おり笑みも浮かべ、約20メートルの距離で感触を確かめるように軽く腕を振った。
◆ブルペン投球(25年4月10日)SGLでの2軍練習で、術後初めて捕手を座らせてブルペンで投球。
◆シート打撃(同年8月17日)入団後初めての対打者となるシート打撃に登板。制球に苦しみながらも最速は153キロ。打者6人に対し、3四球、ヒット性の当たりも1本許した。
◆キャンプでブルペン入り(26年2月4日)立ち投げで13球、その後捕手を座らせて25球。軽くリリースされた球は気持ちいいミット音を響かせた。
◆1軍練習参加(同年4月26日)1軍の試合前練習に参加した。藤川監督と安藤、江草の両投手コーチらが見つめる中でブルペン入り。60球を投げた。
