阪神・坂本「これが野球の面白さ」誰かのミスを誰かがカバーして勝つ 4・10スタメン4三振もみんなに救ってもらって逆転 中継ぎもチャンスに

 阪神の坂本誠志郎捕手(32)がデイリースポーツ読者に向けて思いを綴(つづ)るコラム、「打-dozen-」。第2回は開幕からここまでの強さの秘密を明かした。昨季はブルペンを支えた石井大智投手(28)が故障、及川雅貴投手(25)が不調で2軍調整が続いている。中継ぎは苦しい状況ではあるが、一致団結で乗り越えようとしている。「これが野球の面白さ」と誰かのミスを誰かがカバーし、勝利へつながっている現状を分析した。

  ◇  ◇

 デイリースポーツ読者の皆さん、坂本誠志郎です。コラム「打-dozen-」の第2回になります。ここまで22試合が終わり、結果だけを見ると、いい感じで来ていると思います。調子のいい選手もいれば、良くない選手もいる。いろんなことが見えてくる時期ですが、力をつけて、強くなっていきながら戦おうと言っていました。

 どんな試合でも、「もうちょっとこうしたかった」、「こうしておけば良かった」という繰り返しです。その数をできるだけ減らす。経験を積み重ねることで、その数を減らす努力をしていくことしかできません。勝った、負けたも大事ですが、良かったけどもう少し何かできた、悪かったけどこういうことができていた、そういうことも大事にしていきたいです。

 個人的には二つの対照的な試合をピックアップします。開幕3戦目の巨人戦(東京ド)は途中から出て、同点タイムリーを打って勝つことができました。4月10日の中日戦(バンテリン)は4三振で何もできなかった、何も貢献できない、というもどかしさの中で逆転してくれて勝利。野球って面白いなと思いました。

 途中から出てチームを救うこともできるし、最初から出て何もできてなかったけど、みんなに救ってもらった試合もあります。これが野球。もちろん打った日は良かったと思いますし、打てなかったら悔しい、クソッと思います。そんな中でも誰かのミスを誰かがカバーできる。それが野球の面白さだということを改めて感じさせてもらいました。

 個人的には4三振をした日の方がうれしかったんです。みんなに救ってもらったという安堵(あんど)感がある。勝てたという事実がうれしかった。あの初戦を落としていたら、中日への連勝がどうなっていたか分からない。そのきっかけを作ってくれたみんなに感謝しています。

 中継ぎが苦しんでいると言われますが、やっぱり大智(石井)とオヨ(及川)の去年のすごみは改めて感じます。でも現場にいて、大智がいない、オヨがいないと思っても去年の2人は帰ってこない。これは誰かにとってはチャンスだし、チーム力が上がるチャンスでもあります。2人のポジションに取って代わる選手が出てきたら、2人ももう一回頑張らないと自分の戻る場所がないと思える。これがプロ野球の世界です。

 いないことをマイナスに捉えるよりも、いないところにいける人もチャンス、調子が良くない人ももっと良くなるチャンスかもしれない。全部悪いように考えるのは、あんまり好きじゃありません。みんなが良くなってチーム力も上がってほしいと思っています。

 苦しんでいる選手をカバーできているのが、今の阪神の強みなのかなと思います。みんながいつもいいというのは絶対にあり得ない。みんなが悪いというタイミングも来るし、いつ来るかは分かりません。だけど、その時にどういうことができて、どんなきっかけを作って、何ができるかということだと思います。

 ここからは注目された試合にも触れます。才木が4月16日のヤクルト戦(甲子園)でリーグ記録の16奪三振を記録しました。でもブルペンではあまり良くなかった。大丈夫かな?と思ったぐらいです。これは選手にもよりますが、大丈夫かな?と思っていたら、逆に試合でいい時があったり、めっちゃいいなと思ったら、試合であれ?という時もあります。

 ブルペンで調子を測れるピッチャーと、測れないピッチャーがいる。才木の場合、あの日はブルペンで特別いいという感じはなく、特に予兆はありませんでした。三振というのはバットに当てさせないアウトの取り方で魅力的。一番、安全でもあります。なかなか狙って取れるものじゃありません。あれだけの真っすぐとフォークで三振を取る。あの日は才木の球が良かったというのが一番ですね。

 自分の打撃に関しては最初、ちょっといい感じで、このままいけたらいいなと思っていました。でも、そんなうまくいきません。調子が良くても悪くても、その場で最善を尽くそう、何とかこうしたい、次はこうしてみようと、いろんなことを考えます。そうやってもがいている時間が必要なんです。もがく時間があるのは、まだまだ自分が成長したい、成長しようと思っているタイミングだと思います。そういう時間も無駄にはできません。

 いいように打てなかったら、やっぱり面白くない。でもやってることが間違っていると思いがちですが、そうじゃありません。自分がどうやりたいかと思ってやってきたことを見つめ直したり、確認する作業、練習の仕方をこれまでに探してきています。それを引っ張ってきて、どれが正解かは分かりませんが、引き出しをとりあえずいっぱい開けてみる。あれがいい、これがいい、とやってみたら、これかなというのが見つかる時がある。その引き出しの数と、いつ気付くかです。もちろん、もっともっと良くなりたいと思っているので毎日、必死にもがいています。

 そういう意味では、オヨ(及川)ももがいていると思います。これはオヨにとっても必要な時間。彼は良くなって、ちょっとモヤモヤして、去年また良くてという経験がある。戻る術(すべ)もいっぱい考えて、もがいているはずです。まだ25歳でしょ。今後10年以上、野球をする中の一つのタイミングだと考えたら、今は苦しいかもしれないけど、野球人生が終わる頃に苦しかったけど、あの時があったからと思えるような時間になったら全然いいと思います。

 絶対に力は必要です。投げる力もあります。その間にオヨ以外の選手はチャンス。その中でどれだけの選手がチャンスをつかめるか。オヨが万全で帰ってきたら、チームにとってはめちゃくちゃ大きい力になります。

 でも、現場レベルでは新たな選手に出てきてほしいという感覚はありません。そこに来たピッチャーと、どうやって抑えるかだけ。その結果、出てきたな、出てきそうだなとなります。そんなことを考えながら投げている暇もないし、その場面場面で野球は生きています。何が一番で、そこで抑える最善策は何かを考えながら野球をやるだけです。

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