阪神・近本 今季初の決勝打 お立ち台で白い歯キラリ「今年もこの場に立ててうれしく思います」
「阪神7-5中日」(19日、甲子園球場)
打球が右翼の芝生で弾むと、スタンド全体に興奮が充満した。開幕20試合目で響かせた、今季初の決勝打。寄せられた期待を、阪神・近本が熱狂に変えた。今年初のお立ち台で「今年もこの場に立てて、本当にうれしく思います」と白い歯を見せた。
同点の六回に真骨頂を発揮した。2死三塁で斎藤と勝負。「内野安打でも何でもいいので、とにかく自分で決めようとせずに」と強引にならず、集中力を研ぎ澄ませた。カウント1-2から低めの球に泳がされることなく、正確にコンタクト。価値ある右前適時打に、本拠地が燃え上がった。
“伏線”も回収した。六回表を三者凡退に抑えた湯浅は、直近の登板4試合のうち3試合で投げた直後の回に味方が得点していた。「湯浅が投げたら点が取れる、勝ちにつながると思っているので、何とか勝ちにつなげたいなと思って打席に入った」と後輩の奮闘にも目を向けた。
試合前時点で打率.230と本来の姿は影を潜めていた。しかし悲観の色は全くない。「いろいろな挑戦、新しいことに取り組みながら見えてくるものもあるし、合わないものもある。どういうふうに引き出しを増やしていくか、もう少し見たい」と焦りはない。この日の打撃練習では、スローボールを打ち返す場面もあり、独自の調整法で感覚と対話を重ねている。
今は「新しいことに取り組もうとするところ」がモチベーションだと言う。それができない状況なら「なかなか楽しんで野球はできない」というのが近本の考え。「日々どういうアプローチをしていこうとか。『打てた、打てなかった』より、そっちの方が楽しいし、モチベーションがすごく安定する」と客観的な視点も持ち合わせている。
打席では安打を打つことに最善を尽くす。同時に、長丁場のペナントレースを見据えた試みも並行。それが希代のヒットメーカーたるゆえんなのかもしれない。「まだ20試合なので、ゆっくりいきましょう」と近本。試行錯誤を重ねて、ひたむきに理想を追う。その姿がさらなる興奮を呼ぶ。
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