阪神・糸井嘉男氏 連覇&日本一奪回へ「新戦力」と「新鮮力」工藤&前川ら覚醒がカギ ドラ1立石の台頭も期待

 阪神、オリックス、日本ハムで活躍し、今春の阪神キャンプで臨時コーチも務めたデイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏(44)の「超人目線」。今回は来季、リーグ連覇のカギを握る選手を投打で解説する。まず投手のキーマンには工藤を指名。野手では前川と、ドラフト1位・立石を挙げた。日本一奪回へのポイントにしたのは「新戦力」と「新鮮力」の台頭。2リーグ制では球団史上初の偉業達成に向け、藤川監督の手腕に期待した。

  ◇  ◇

 今シーズンは藤川新監督の下、2年ぶりにリーグ優勝を遂げました。結果的に圧倒的な強さでの独走Vには、指揮官のマネジメント力が欠かせません。中軸を森下、輝、大山の並びで据えた勝負眼や、チャレンジ枠とした遊撃、左翼では多くの選手を起用するなど、勝ちながら育てるを実践した1年でもありました。

 個人的にもスペシャル・アンバサダー(SA)として、初めてグラウンドレベルで指導もさせてもらいました。春、秋のキャンプで臨時コーチを務めたことで、これまでよりも選手が気になりましたし、その分、優勝してくれて感慨もひとしおでしたね。監督に呼んでもらえてうれしかったですし、貴重な経験ができてありがたかったです。

 生え抜き主体のチーム編成から考えて、しばらくこの強さは続いていくでしょう。来季もタイガースがリーグ優勝の大本命。今いる選手、コーチに、今の指揮官…普通に戦えば勝ちきれる組織です。ただ、他の5球団も黙ってはいません。包囲網を敷かれる中で目指す連覇は容易ではない。そんな思いは藤川監督からも伝わってきます。

 「チームを壊す」と話していますが、今秋のキャンプでの姿や話をしても、新たな戦力を求めて鍛え上げたように感じます。「左バッターを頼む」と言われ、前川選手や高寺選手、嶋村選手らを見ましたが、タイガースには本当に楽しみな若い選手が多い。連覇のカギは「新戦力」と「新鮮力」の台頭にあると考えます。

 まず投手では工藤選手ですね。まだ粗削りな部分はありますが、力で相手の勢いをねじ伏せられる投手。100マイル(約161キロ)のストレートがハマれば、球場の空気を一変させる魅力を秘めています。リリーフは何人いても困ることはありません。来季の一気ブレークを期待しますが、次代のセットアッパー、ストッパー候補としても、チームの命運を握る投手と考えます。

 野手では事あるごとに名前を挙げ、期待している前川選手の覚醒、ドラフト1位・立石選手の台頭でしょう。100マイルを投げる投手が希少で魅力的なように、遠くに飛ばせる能力は教えて身に付くものではありません。既に2人はそのポテンシャルを秘めていますし、前川選手には春のキャンプで見せる姿に期待します。臨時コーチとして会うのが楽しみです。

 リーグ連覇に向けてもそうですが、今年はあと一歩で日本一を逃しました。短期決戦は、流れもあるので一概には言えませんが、今年のメンバーに新たに若い選手が加わることで、チームとしても爆発的な力が生まれると思います。そんな新戦力と新鮮力を藤川監督が、現有メンバーにどう融合させるのか。指導力はまだまだ計り知れないので、指揮官のマネジメントにも注目しています。

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