阪神・鈴木勇斗 人生初の軟式で野球継続 新世界に足を踏み入れた理由とは 強豪エコ・プラン入社「優勝できるよう戦力に」

 今年も多くのプロ野球選手たちがユニホームを脱いだ。移籍先など次の進路が決まった選手がいる一方で、未定の選手もいる。それぞれの新しい人生に挑戦する男たちの思いを伝える「第2の人生へプレーボール」。タテジマのユニホームを脱いだ阪神の鈴木勇斗投手(25)は来季から軟式野球に挑戦する。選んだのは東京を拠点とする「株式会社エコ・プラン」の軟式野球部。硬式一筋だった男が、軟式の世界に足を踏み入れた理由に迫った。

 鈴木は昨年、シーズン終盤から12月初旬にかけて体調不良で入院。退院後もその影響からリハビリに時間を費やした。2軍公式戦での登板も3試合にとどまり、1軍登板もないまま、10月に非情の宣告を受けた。一報を聞いた際は「やっぱりか」とすぐに納得したが、「あと1年あればもっとできた」と悔しさもあった。

 切り替えて挑んだトライアウトでは視察していた同社から声がかかった。他社の硬式チームからも誘いがあったといい、約2週間悩んだ。「硬式でやりたい気持ちもあった」。ここまで硬式野球一筋の人生だった。迷いの中、同社の練習に参加した。「人間性が素晴らしいし、この人たちと野球をしたいと思ったのが一番の決め手だった」と入社を決意した。

 同社は24年度の東京都秋季軟式野球大会1部リーグで優勝した実績がある強豪チーム。左腕は指揮を執る杉山太揮監督について「優しくて情熱がある。とにかく熱い人だ」と熱のこもった口調で話した。

 同志にも背中を押された。湯浅、桐敷ら同学年のチームメートとは密にコミュニケーションを取っており、新たに進む道について報告した。湯浅からは「いいじゃん。また野球できるね」と励まされ、思いはさらに強くなった。

 慣れない軟式球の扱いだが、「全然無理だなって感じはしない。時間はかかるけど、やれるかな」と自信をのぞかせた。来季のリーグ戦は4月からスタートする。練習を重ね、リーグ戦が始まるまでにはマウンドに立てる状態にしたい。

 新生活は午前9時から昼まで約3、4時間の練習。そこから通常業務に就く。人事部に配属されることが決まり、社業と野球を両立する多忙な日々だ。「チームが優勝できるように戦力になっていきたい」。慣れない環境への不安よりも前向きな気持ちが強い。タテジマで得た貴重な経験を新たな道で生かす。

 ◇鈴木 勇斗(すずき・ゆうと)2000年3月17日生まれ、鹿児島県出身。25歳。174センチ、86キロ。左投げ左打ち。鹿屋中央-創価大を経て、21年度ドラフト2位で阪神入りし、背番号28を背負った。同期入団は1位森木で、ほかに3位桐敷、4位前川ら。昨オフ育成契約に移行。プロ通算4シーズンで1軍登板はなし。

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