阪神 デュプランティエ流出危機 球団全力慰留「前向きだと信じています」も日米争奪戦にソフトバンク大型オファーで参戦へ

 阪神のジョン・デュプランティエ投手(31)が流出する危機となっていることが2日、明らかになった。各球団が来季も引き続き独占的に契約の対象にできる選手をリストアップした保留選手名簿と、名簿から外れた自由契約選手が公示され、右腕は保留選手名簿から外れた。竹内孝行球団副本部長は残留交渉を継続している助っ人の意向について初めて言及し、「前向きだと信じています」と話すにとどめた。

 虎のドクターKの去就は、微妙な状況となっていた。デュプランティエは11月30日に提出期限だった保留選手名簿を外れ、自由契約となった。竹内副本部長はこの日、初めて国内外の球団との交渉が解禁となった助っ人との交渉の進捗(しんちょく)に言及した。

 「継続して交渉中でございます」と話し、同じく保留選手名簿を外れたドリスも含め「なんとかどっちも残ってほしいです」と本音を吐露。デュプランティエの意向については「(残留へ)前向きかどうかは、まあうーん…てところですかね」と歯切れは悪かった。ただ、「前向きだと信じています」と思いも語った。

 交渉の期限は状況を見ながらにはなるが、「こちらができる最大限の努力、予算というものがありますので、それに沿ってということにはなりますけど」と、再契約に向けて全力を尽くす方針に変わりはない。

 他球団の動向については「全く分からないですけど、MLBも含めてかも分からないし」と明言は避けた。ただ、ソフトバンクも獲得リストの上位に挙げており、大型オファーをするとみられている。

 流出が懸念されるが、過去にはそれを阻止した例もある。2020年オフには保留選手名簿を外れて自由契約となったスアレスと残留で合意。米大リーグの球団も関心を示す中、守護神の引き留めに成功した。

 デュプランティエは来日1年目の今季、開幕ローテ入りを果たし、6勝3敗、防御率1・39。90回2/3で113三振を奪い、奪三振率は驚異の11・22をマークした。ただ8月中旬からコンディション不良で長期離脱。約3カ月ぶりの1軍登板となったソフトバンクとの日本シリーズ第2戦では二回途中7失点と炎上した。

 不本意な形でシーズンを終え、11月1日の帰国時に「日本にまた戻ってきたいし、大阪の街もすごく気に入っているよ」と語り、阪神は「選択肢の一つ」とも話していた。来季、連覇と日本一を目指すチームにとっては重要な1ピース。今後も右腕の去就に注目が集まる。

 ◆阪神助っ人のNPB球団移籍 最近では2022年から2シーズン在籍したカイル・ケラー投手が24年から巨人へ移籍した例がある。ケラーは23年8月に「家庭の都合」で米国に一時帰国。再来日を果たせず、そのまま阪神を退団。同じ阪神→巨人移籍では98年から2年間在籍したダリル・メイ投手が00年に巨人へ。また、03年に10勝を挙げてリーグ優勝に貢献したトレイ・ムーア投手は翌04年にオリックスでプレー。ムーアは、当時在籍していたジョージ・アリアス内野手と翌シーズンへの契約を更新できなかった場合に残留する方向だったものの、アリアスの残留が決まりムーアは阪神退団となった。

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