トレード加入の阪神・伏見が入団会見 母校後輩の門別に「物足りなさも感じる」「どうにか手助けできたら」

 日本ハムからトレードで阪神に移籍した伏見寅威捕手(35)が28日、兵庫県西宮市内で入団会見に臨み、高校の後輩である門別をはじめ、若手投手の能力を引き出すことへ意欲を示した。単年契約で年俸1億円、背番号は17。名前で阪神に縁を感じているが、「寅」の漢字について意外な不安も口にした。(金額は推定)

 「最優秀バッテリー賞」の表彰式ではファイターズカラーだったネクタイを、タイガースカラーに締め直した。伏見は表情に少し緊張感も漂わせながら、真っすぐに前を見据え、思いを語った。

 「今年のセ・リーグのチャンピオンチームに入ったことは、すごく光栄に思います」

 野手ではチーム最年長となる。藤川監督は以前、伏見について経験を生かした「ケミストリー(化学反応)」を期待していた。会見に同席した竹内副本部長も「若いピッチャーが多いので、その選手たちの違った面を引き出してほしい」と要望。伏見もその役割を果たしたい考えだ。

 期待の若手投手の中には東海大札幌(伏見の在籍時は東海大四)の後輩である門別もいる。「一回対戦して、こてんぱんにやられた。いい投手」と話した上で、「少し物足りなさも感じる」とも明かした。入団当初から有望株だった門別は今季初の開幕ローテ入り。4月6日・巨人戦(東京ド)でプロ初勝利を果たしたが、ローテには定着できず2勝3敗でシーズンを終えた。「年間通して投げきれないのは何か理由があると思う」と伏見。「受けてみたり、いろいろ話をしてみて、どこが足りないのかを一緒に探していきたい。どうにか手助けできたら」と後輩左腕の力になりたい。

 これまでもオリックスでは宮城、日本ハムでは達ら若手投手の能力を引き出してきた。「1軍で何もできずに終わったというのがないように、全てを出してあげたいという思いでやっている」。対話を重ねながら、投球の選択肢を広げられるようにも心がけてきた。阪神では門別の他にも早川、今朝丸、茨木など1軍での活躍が期待される若手は多い。伏見の経験値とノウハウが、さらに投手層を厚くするカギとなる。

 「寅威」という名前なだけにタイガースには「縁を感じている」というが、意外な不安もある。「うかんむりの寅なので、間違って覚えられるかなっていう不安はあります」と「虎」と混同されることを懸念。「ちゃんとした方の字で覚えてもらえたらうれしいです」とちゃめっ気たっぷりにアピールした。チームが目指すのは球団史上初のセ・リーグ連覇と日本一。「僕も皆さんが持っている以上の熱量でその戦力になりたい」。新天地でも自分らしくプレーし、チームの力になっていく。

 ◆伏見 寅威(ふしみ・とらい)1990年5月12日生まれ、北海道出身。35歳。182センチ、89キロ。右投げ右打ち。東海大四-東海大を経て、12年度ドラフト3位でオリックス入団。23年に日本ハムへFA移籍した。今季は64試合の出場ながら、伊藤大海と最優秀バッテリー賞を受賞した。勝負強い打撃と熟練のリードに定評がある。

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