阪神・伊原 CSへ「対応力」魅せる プロ1年目で先発17戦&中継ぎ11戦 経験生かしてDeNA斬る
ポストシーズンの10月に活躍する選手の代名詞「ミスター・オクトーバー」になるのは誰か。トラ番記者がイチ推し選手を紹介する企画の第6回は、ルーキーながらシーズンを完走した伊原陵人投手(25)を取り上げる。
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初めて迎えるポストシーズン。伊原は自身の持ち味でもある「対応力」が重要だと話す。「急に力を入れたからといって、球が速くなるわけではない。いつも通りの中で対応できたらいい」。レギュラーシーズンとの違いは「いつも通りの中」で、どうギアチェンジができるか。先発、中継ぎの経験を生かしてマウンドに上がる。
今季は先発として17試合、救援として11試合に登板。プロ1年目ながら、1軍では両にらみで起用された。中継ぎとして登板後、次の先発を数日前に突然告げられることもあった。「(先発と中継ぎで)準備は少し変わる」と言うが、それでも大崩れしなかった。5勝7敗、防御率2・29の成績を残してシーズンを完走し、適応力の高さを見せつけた。
コンディション面も不安はない。今季は毎登板後、筋肉痛になるなど日々の回復が鍵となっていた。「リカバリーやケアに関して、シーズン中にいい練習ができた」とプラスの要素となっている。さらにNTT西日本時代にはトーナメントを経験し、短期間でのフル充電方法も理解している。短期決戦に順応できることは証明済みだ。
チームの盛り上げ方にも気を配っている。「新人なので、出された場面で思い切りフレッシュにいけば、チームも活気づく」。大切なのは新人らしい躍動感。「勝つ雰囲気というのはある。(試合途中は)負けていても、最後は負けない雰囲気もある」と短期決戦ならではの「士気の上げ方」まで頭に入れている。
CSファイナルで対戦する相手の対策も万全だ。DeNAには6試合で防御率3・97とシーズン終盤に打ち込まれたが気にはしていない。「向こうがいけると思ってきたら、それ以上の球で、うまく逆手に取って相手に嫌なことをできたら」と対策を思い描いた。
今季最後の先発だった9月28日の中日戦(甲子園)は6回1失点。みやざきフェニックス・リーグでは7日の中日戦(サンマリン)に3番手で3回無失点。CSまでの短期間で先発と中継ぎとして最善の準備を行った。伊原の優れた対応力で日本一に貢献する。(デイリースポーツ・和泉玲香)
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