阪神・坂本 打撃も守備も内容関係ない「勝ちゃいい」歓喜と屈辱知る男の重き言葉 重圧はねのけ日本一導く
ポストシーズンの10月に活躍する選手の代名詞「ミスター・オクトーバー」になるのは誰か。トラ番記者がイチ推し選手を紹介する企画の第4回は、正捕手としての座を確立した坂本誠志郎捕手(31)を取り上げる。
ここまで来たら、勝利までの過程は関係ない。エラーをしようが、三振をしようが、CSを勝ち抜いて日本一になればいい。坂本は勝つことだけを求めた。「結果がほしくて、結果を出しにいって、結果が出せるかどうか」。23年の歓喜、24年の屈辱と対極を知るからこそ、言葉に重みがあった。
一昨年は梅野の負傷に伴い、CSファイナルSと日本シリーズは全試合でマスクをかぶった。CSで感じたのは「負けられない」ことへの重圧。2位の広島と大差をつけてのリーグチャンピオンだっただけに、「結構、緊張した」という。
今季は似たような状況となった。2位のDeNAとは13ゲーム差のぶっちぎり優勝。大きなアドバンテージがあるように思うが、短期決戦ならではの怖さはある。「(日本一の経験を)生かさないといけない立場の人間だから」。23年に戦い抜いた、計10試合。今年も女房役として、フル回転が期待される。
逆に昨季は2位ながらCSファーストSでDeNAに敗れた。短期決戦で大切なことは、いたってシンプル。「(シーズンと)違うことはできない。普通にやって勝ってきたんだし。目の前の試合に勝つことを考えて野球をやってきたわけだから」。王者として、普段通りのどっしりとした野球をするだけだ。
打撃でも守備でも、内容はどうだっていい。「こうやったら勝てるじゃなくて、勝つためにってことをするしかない。勝ちゃいい」。23年のCSでは2打点を挙げ、2四死球での出塁もあった。日本シリーズも4打点に2犠打。今年の猛虎打線も上位が強力なだけに、下位打線としてのつなぎが鍵を握る。
出塁するためには、四死球でもエラーでも構わない。守りでは「はじいても、落としてもアウトにしたら何でもいい」。とにかく先に27個のアウトを取り、相手より1得点でも多く挙げればいいと考えている。
フェニックス・リーグには第1クールから帯同し、投手陣の球を受けてきた。11月の侍ジャパンのメンバーに選出されたように、今や12球団でも指折りの捕手。「基本的にはやっていることを変えることはないから」。シーズン同様、巧みなリードと、献身的な打撃で短期決戦も勝利へと導く。
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