阪神21年ドラ1右腕・森木 4年で戦力外「しっかり受け止めて」現役続行へ意欲「がむしゃらにやる」

 戦力外通告を受け、口惜しさをにじませる(撮影・坂部計介)
 報道陣の取材に応じる森木
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 阪神は1日、佐藤蓮投手(27)、川原陸投手(24)、渡辺諒内野手(30)、野口恭佑外野手(25)と育成選手の鈴木勇斗投手(25)、森木大智投手(22)、ホセ・ベタンセス投手(25)に対して、来季の契約を結ばないことを伝えたと発表した。森木は21年度ドラフト1位で入団。22年に2試合に登板したが、今季から育成選手となっていた。中学時代に軟式で150キロを計測し、怪物と騒がれた右腕は、わずか4年でタテジマを脱ぐ。

 期待されてきた“ドラ1”は、才能を開花させられないまま阪神を去ることになった。森木は球団事務所を訪れ、チームメートや関係者にあいさつ。前向きな表情で報道陣の前に立った。

 「ある程度、予想はしていたので。驚きはしましたけど、しっかり受け止めて。まだまだ野球をしたいと思っているので。これからの人生につなげていきたい」

 高知中時代には軟式で異例の150キロを計測し、一気に注目を浴びた。高知高では甲子園に出場できなかったが、最速154キロを計測。市和歌山・小園(現DeNA)、ノースアジア大明桜・風間(現ソフトバンク)とともに“高校BIG3”と称され、21年度ドラフト1位で阪神から指名を受けた。

 しかし、アマ時代に評価されていた能力を、プロでは発揮しきれなかった。新人だった22年には、8月28日・中日戦(バンテリン)でプロ初登板初先発した。6回4安打3失点でプロ初黒星を喫したが、五回まで1安打で最速154キロを計測。大器の片りんを見せつけるデビューを飾った。

 しかし、2度目の先発となった9月10日・DeNA戦(横浜)は2回2/3を5安打5失点。以降は1軍での登板機会がなく、2軍暮らしが続いた。「1年目は怖いもの知らずで、どんどん打者と勝負して楽しんで投げられていたけど、いろんなことが見え始めて、ちょっとずつ矢印が自分の方向に向き過ぎてしまった」。課題となった制球難の克服に注力した結果、悪循環に陥った。

 4年目の今季は育成選手となった。ウエスタンでは14試合で0勝0敗、防御率13・81。14回1/3を投げ、24四死球と苦しんだ。「本当に4年間、結果が出なかったので、それが一番かな」と悔しい思いを吐露した。

 それでも目は光りを失っていなかった。「1軍で先発ローテを守るというのが、(目標として)僕の中ではあったので、絶対にやりたい」。トライアウトを含め、今後も現役続行を模索していく方針。「貪欲というか、がむしゃらにやりたい」。新天地を見据えて22歳は腕を振り続ける。

 ◆森木 大智(もりき・だいち)2003年4月17日生まれ、22歳。高知県出身。184センチ、94キロ。右投げ右打ち。高知高では1年春の四国大会からベンチ入り。3年夏は県大会決勝で明徳義塾に敗れ、3年間で甲子園出場はかなわず。21年度ドラフト1位で阪神入団。通算成績は2試合で0勝2敗、防御率6.23。

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