阪神・及川 NPB新!18試合連続ホールド 風船ジェット初体験、黄色い聖地で1回0封 最優秀中継ぎも意識
「阪神2-4中日」(28日、甲子園球場)
火の玉を超えた。阪神・及川雅貴投手(24)が七回から登板し、1回を3者連続三振に仕留める圧巻の投球で、NPB新記録となる18試合連続ホールドをマークした。今季、キャリアハイの66試合に登板したタフネス左腕。残り1試合も腕を振り、最優秀中継ぎのタイトルを手中にする。またこの日、DeNAの2位、巨人の3位が確定した。
どうだ、と言わんばかりに腕を振った。ズバッと内角いっぱいに直球が決まる。360度、鮮やかな黄色のジェット風船が揺れる中、及川が貫禄たっぷりにベンチへと歩を進めた。「ゼロで帰ってこられたんで、そこは良かったかなと思います」。NPB新記録の18試合連続ホールド。左のセットアッパーが球史に名を刻んだ。
1点リードの七回。2番手でマウンドに上がった。先頭の山本はツーシームで空振り三振。続く森駿はスライダーでバットに空を切らせた。最後は石伊を直球で見逃し三振。圧巻の3者連続三振で記録を打ち立てた。
相手に手も足も出させなかったが「誠志郎さん(坂本)のおかげ」と言う。自身をよく知る女房役。今年は登板を重ねるうちに、心が通じ合うことがあった。それは配球面。これまでは出されたサインに、ただうなずくことが多かったが、経験を積む中で自分でも配球を考えるようになった。
「最近、誠志郎さんと一致することが多くなったんですよ」
そういう時は決まって抑えられる。打たれた時にはベンチで意見を交わし、抑えた時にも反省を忘れない。そんな日々の細かい共有を繰り返し、自分の投球が分かるようになってきた。
20年にプロの扉をたたいた。新型コロナの流行で無観客試合を経験。ジェット風船が膨らむ状況での登板は初めてだった。「黄色いなと思いました」。割れる音も耳にしながら、新たな景色での13球。これも1軍に居続けたからこそ、見ることができた。
先発と中継ぎの両にらみ調整の時、先輩から言われた。「1軍で投げてなんぼの世界やぞ」。66試合登板でリーグ最多は確定した。あとはホールドポイントで争う最優秀中継ぎだけだ。「意識はしてると思います。頑張ります」。タイトルに似合うだけの数字は残した。あと1試合。運も味方につけ、もう一つの勲章をつかみ取る。
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