佐藤輝 阪神史上2人目の偉業締めへ 藤村富美男以来76年ぶり40発100打点10盗塁 甲子園で決める
阪神の佐藤輝明内野手(26)が25日、甲子園での全体練習に参加し、目標の40本塁打、100打点を目指すと誓った。すでに10盗塁には到達していて、40本塁打と100打点のトリプルクリアになれば、球団では1949年の藤村富美男氏以来、球団史上2人目の快挙となる。残り4試合は全て甲子園。秋になると、中堅から右翼に吹くかもしれない、秋の浜風も味方につけて、ミスタータイガース以来の偉業を狙う。
リーグ優勝も決まり、短期決戦が控えているとはいえ、偉業達成には残り4試合となった。39本塁打、97打点と大台へはあと少し。「到達したいか?もちろん、はい。ここまで一戦一戦、頑張ると思ってやってきた。変わらずいきたい」。舞台は本拠地・甲子園。最高の今シーズンのフィナーレが用意された。
すでに10盗塁は記録。目標の40本塁打、100打点を達成すれば、1949年の藤村富美男氏以来、76年ぶりで史上2人目の快挙となる。田淵氏や掛布氏でもできなかったこと。初代ミスタータイガースと呼ばれ、輝かしい成績を残し続けたレジェンドに並ぶことができる。
近年では22年にヤクルトの村上が達成しているが、長いNPBの歴史でも12人しか成し遂げていない。佐藤輝に残されたのは4試合。多くても20打席ほどだろう。「残りの試合を頑張って、CSもあるので、いい試合ができればいいなと思います」。声援の恩返しのためにも、虎党に快音を届けたい。
26日からは中日と今季最後の3連戦。チームとしては11勝11敗の五分だが、虎の4番は打ちまくっている。カード勝ち越しには「頑張ります」と意欲十分。対戦カード別では最多の9本塁打を放ち、20打点も同最多。記憶に新しいのは15日に甲子園で2発、5打点と暴れまくった。
同戦では逆方向にもアーチを描いている。聖地特有の浜風も利用した。ただ、秋になると中堅から右翼へと風向きが変わることがある。「吹かしといてください。お願いします」とニヤリ。今季は浜風の攻略法をつかみかけているが、右翼に追い風が吹いている方が確率は上がる。ハル・ブリーデン氏と金本知憲氏に並ぶ、球団8位タイの40本塁打は右翼席に放り込みたいだろう。
村上の最多勝や奪三振王、及川の最優秀中継ぎなど、投手陣もタイトルを争っている。「勝たせてあげられるように頑張ります」。V戦士として一人でも多く、勲章を手にしたい。「今日もいい準備ができたので、頑張ろうかなと思います」。泣いても笑っても、あと4試合。虎の4番、佐藤輝なら、球史に名を残してくれるはずだ。
◆藤村富美男とは “初代ミスター・タイガース”といわれる藤村富美男(ふじむら・ふみお)は1916年生まれ、広島県呉市出身。36年に大阪タイガースに入団。39~42年に兵役によるブランクがあったが、戦後は『物干し竿』と呼ばれた長尺のバットを用いて大活躍した。また、51年までは投手との二刀流で通算34勝を挙げている。55年に選手兼任監督に就任。59年に現役を引退した。背番号「10」は球団初の永久欠番となった。74年に野球殿堂入り。92年に75歳で死去。
関連ニュース





