【中田良弘氏の眼】DeNA・ケイの弱点は微妙な判定?「0点に抑え込まれなかったのは阪神にとって収穫」
「DeNA2-2阪神」(23日、横浜スタジアム)
カード最終戦は延長12回で決着がつかず引き分け。今シーズンの対戦成績は阪神の14勝8敗3分けとなった。デイリースポーツ評論家の中田良弘氏(66)は好投手のケイを6イニングで降板させた阪神打線の粘りに注目。「116球を投げさせ(CSで対戦した場合の)嫌なイメージは避けられたのではないか」と評価した。
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難敵のケイを六回で降板に追い詰めたのは阪神にとって収穫だったと思う。DeNAはCSの相手となる可能性があるだけに、無得点に抑え込まれたりすると、嫌なイメージのまま終わってしまったからね。
6安打で2得点だからKOしたわけではないのだが、チーム全体が打てないという印象だけは避けられたのではないか。
立ち上がりのケイはストライク先行で調子がよさそうだった。ただ際どいコースに対する球審の判定に苛立ちを隠さず、捕手の山本がなだめるようなシーンも見られた。
ボールをしっかり見極める阪神打線の粘りも大きかったはずだ。投球数116。ここに苦心の跡が見えたような気がするね。
順位争いに懸命なDeNAとは違い、阪神はすべてがポストシーズンをにらんでの采配だった。先発したネルソンは5回を5安打で2失点。可もなく不可もなくといったところか。
阪神ベンチは七回、林に対して及川がワンポイントで登板し、右打者の松尾と蝦名には右のハートウィグを繰り出すなど、CSを想定したような投手リレーを行った。手の内を隠す必要などないといった感じだった。
一方、攻撃面の収穫は前川の3安打だろう。左投手のケイに対して、それも3番での起用。最初のヒットは追い込まれたあとに食らいついたもの。あとの2本はファーストストライクを狙いにいった積極性が生んだものだ。
(1本目は初回、二死から二塁内野安打。2本目は五回二死満塁から左前適時打。3本目は八回先頭で左前打)
対照的に右翼で同じく先発出場した高寺は2三振で代打を送られた。やや積極性にかける場面も見られただけに残念だったが、前川の“参入”で若手の競争意識はさらに高まるはずだ。
気になったのは桑原だね。この試合は3打数3安打、1四球ですべて出塁し、2度の送りバントを決めた。阪神とのカード最終戦を気分よく終わらせてしまった。
桑原は昨年の日本シリーズでMVPになった男だからね。大きな試合になればなるほど燃えるのかも。まだ対戦相手は分からないが、注意するに越したことはないね。
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