阪神・近本 39打席ぶり安打 ミスターに王手!7年目通算1069安打 8・22以来の快音「すごく安心」
「阪神5-4巨人」(31日、甲子園球場)
白球がフェアグラウンドの芝に弾むと、甲子園が大歓声に包まれた。久々にともったHランプ。阪神・近本は二塁ベース上で表情を変えることなく、一つ息をついた。
長い長いトンネルを抜け出した。1-3で迎えた七回、2死一塁で中川と対した。「おとといに対戦していたので、球筋もある程度イメージはついていた」。その初球、狙っていた直球はじき返し左翼線への二塁打。これが自身8月22日のヤクルト戦(神宮)の第2打席以来、39打席ぶりのヒットだった。
久々の一本に「すごく安心します」と肩の荷が下りた。それに加え「自分のやりたいこともしっかりできた。過程でもすごくいいものがあった」と打撃の内容にも納得していた。
近本の一打で球場の空気が変わった。続く中野が中堅への適時二塁打を放ち、同点のホームを踏んだ。さらに森下、佐藤輝も続き、このイニング一挙4得点。劣勢の展開を跳ね返すきっかけとなり「勝ったんで本当によかったです」と安堵(あんど)した。
苦しい時間だった。常に高打率をキープしていた中で、突如当たりが止まった。28日のDeNA戦(横浜)では、休養を目的に今季2度目のベンチスタート。29日に甲子園に戻ってきてからも、ヒットが出ず、自己ワーストを更新し続けた。
それでも30日の試合では三つの四球を選び、2度ホームを踏むなど、1番打者としての仕事はしていた。「(ヒットを打つのは)そんな簡単なものではないし、そこにたまたま野手がいたり、そういうのを含めて野球だしバッティング。いろんなことを再認識した期間だった」。一本のヒットを出す難しさを感じながら、経験として捉え、成長につなげた。
これで通算1069安打とし、プロ7年目での長嶋茂雄(巨人)の安打数まで、あと1本とした。「いろんな重みがあるので、積み重ねていきたい」と表情を引き締めた近本。「優勝まで勝たないといけないので、気を抜かずあさってからも頑張りたい」。虎のリードオフマンがついに目を覚ました。
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