阪神“打点3連単”佐藤輝&森下&大山クリーンアップトリオ3位まで独占!要因は「打席数」増加にチカナカコンビのお膳立て

 阪神のクリーンアップトリオが、セ界初の「打点3連単」を目指す。佐藤輝明内野手(26)、森下翔太外野手(25)、大山悠輔内野手(30)の3人は25日現在、セ・リーグの打点数3位までを独占している。同一球団の選手がシーズン打点3傑そろい踏みとなればセ・リーグ初で、プロ野球3度目という快挙だ。虎の主砲ユニット「森大佐」に、ワンツースリーフィニッシュの期待がかかる。

 佐藤輝は打点を78に伸ばしており、32本塁打と合わせて初のタイトルへひた走っている。2位で71打点の森下も、シーズン中盤まで佐藤輝とトップを争う打棒を見せた。大山も57打点で、3位につけている。

 この快進撃を支えているのは「質より量」の構造だ。得点圏打率を見ると、とりわけ打点上位2人は意外にも平凡な数字である。佐藤輝は・269で、森下も・254。規定打席を満たすセ18選手の平均は・281だから、いずれも下回っている。大山はかろうじて・355と健闘しているが、必ずしも3人そろって勝負強さを発揮しているわけではない。

 では、なぜこれほど打点が伸びるのか。その鍵は、好機での「打席数」の多さにある。セ・リーグの得点圏打席数ランキングを出すと、

 ①森下(神) 156

 ②佐藤輝(神)142

 ③大山(神) 130

 こちらも阪神の3人が独占している。つまり虎の森大佐は、セ・リーグで最も多く「チャンスに打席が回ってくる」3人でもあるという訳だ。得点圏での打率が低くても、打点が増える秘密がここにある。ちなみに上位2人の24年の得点圏打席数は、森下155打席、佐藤輝139打席で、今季は29試合を残しながら既に昨季を上回っている。いかにチャンスでの打席に恵まれているかが分かる。

 お膳立てをしているのがチカナカコンビだ。1番打者の近本は135安打と最多安打が有力で、盗塁数27も1位だ。2番の中野は打率2位の・294に加え、セ断トツの40犠打。2人の打撃と機動力が、クリーンアップに絶え間なく得点圏の打席を供給している。

 過去の打点3傑独占は、1979年阪急(現オリックス)と2019年西武の2球団しかない。1985年日本一の阪神クリーンアップですら、成し得なかった偉業だ。3冠王バースは134打点。掛布雅之108打点、岡田彰布101打点と続く、球史に残る大爆発を見せた。ところがバースと掛布、岡田の間にクロマティ(巨人)112打点、レオン(大洋)110打点が割って入り、快挙を阻まれた。また2005年には今岡誠147打点、金本知憲125打点と打ちまくったが、続くシーツ85打点はセ13位に終わっていた。

 チカナカから森大佐へ-。生え抜き5人衆の持ち味が有機的に絡み合い、往年の強打者たちも成し得なかった快挙が見えている。

 ◆1979年阪急 加藤英が104打点で、首位打者と合わせ2冠を獲得。「秀司」から「英司」とした改名効果は絶大だった。右の強打者島谷金二102打点、マルカーノ97点と続いた。

 ◆2019年西武 123打点を挙げた中村剛也が、自身4度目の打点王に。山川穂高120打点、そして初の首位打者となった森友哉も105打点をたたき出した。

 ◆他の2冠では 本塁打では、92年ヤクルトがハウエル38本、古田敦也と池山隆寛がそろって30本で3位までを占めた。打率では41年巨人が川上哲治.310、白石敏男.267、中島治康.255で3傑。また60年には、ミサイル打線と称された大毎(現ロッテ)が榎本喜八.344、田宮謙次郎.317、山内和弘.313と3位までを独占した例がある。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス