阪神・藤川監督 ソフトバンクに「力負け」交流戦負け越し 七回勝負手不発「作戦的な課題」采配後悔なし

 「阪神1-3ソフトバンク」(22日、甲子園球場)

 阪神・藤川球児監督(44)の勝負手は実らなかった。1点を追った七回1死一、三塁。まだ打席が回る可能性のあった三塁走者の大山悠輔内野手(30)に代走・熊谷敬宥内野手(29)を送り込んだが、坂本誠志郎捕手(31)の3ボールから意表を突いたセーフティースクイズが捕手前に転がってしまい、得点を奪うことができなかった。8勝10敗と負け越した交流戦。首位の座に甘えることなく、リーグ戦再開に備える。

 執念のタクトは実らなかった。交流戦ラストゲームは接戦を落とし、痛恨の黒星。藤川監督は冷静ながら、悔しそうに口を開いた。

 「向こうが苦しいところまではいけたんですけど、最後に少し作戦的な課題といいますかね、それをまたレギュラーシーズンに戻ってトライしていくということですね」

 勝敗を分けたのは1点を追う七回だ。先頭・大山が左前打。続く高寺が一、二塁間を破る鮮やかなバスターエンドランを決め、無死一、三塁と逆転ムードがグッと高まる。ここまでは将のシナリオ通りだった。

 7番・小幡が左飛に倒れると、藤川監督は勝負に出た。まだ打席が回る可能性のあった三塁走者の大山に代走・熊谷を送り、坂本の打席では相手バッテリーが警戒する中、カウント3ボールからセーフティースクイズを仕掛けた。だが、打球は無情にも捕手前に転がり、熊谷はスタートを切れず。2死二、三塁から望みを託した代打・糸原も中飛に倒れ、勝負手は結果として不発に終わった。

 指揮官は3ボールからの意表を突いたセーフティースクイズに「それは作戦ですから」と口を閉ざしたが、采配に対する後悔は「全くない」と言い切った。

 「バスターエンドランを仕掛けて形にできて。後悔は、何にもないですね。野球ですから」

 指揮官として初の交流戦は8勝10敗でフィニッシュ。3年ぶりの7連敗や49年ぶりの5試合連続逆転負けが重なり、8位に沈んだ。セ・リーグが軒並み苦戦したため、2位チームとは交流戦開幕前の2・5差から3・5差に広がったが、現実に目を背けることはない。

 「不調な選手はホークスにもいると思う。ただ、その中で出てくる選手ですよね。選手層の厚さというものを感じました。現状での力負けというところだと思います」

 自チームでは石井が抜けると、ブルペンにほころびが出た。連投など必死の継投でつないだが、この日も富田が八回に手痛い1失点。「最後に接戦でぽろっと負ける、今日も1点取られましたけど」。もどかしさを抱えながらも、九回2死から内野安打を放った高寺や最後まで粘りを見せた小幡の姿に希望を見た。

 「まだまだ行くぞという選手が出てきてますから。これには時間がかかりますので、しっかりやっていかないといけないですね」。リーグ戦は27日・ヤクルト戦から再開する。激闘の疲れを癒やしつつ、万全のコンディションを整えて、敵地・神宮へ向かう。

 ◆交流戦、3年連続負け越し阪神はソフトバンクに敗れ、今季の交流戦を8勝10敗で終えた。23年から3年連続の負け越しとなり、未消化の24日のロッテ-巨人戦を残しているものの、両チームの勝敗に関係なく中日と並んで8位の順位も確定した。対戦チーム別では、最も苦手にしているソフトバンクに1勝2敗。交流戦通算では29勝41敗4分けとなり勝率.414だが、甲子園に限れば15年以降で4勝11敗、勝率.267と圧倒的に分が悪い。

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