阪神・大竹 育成出身史上初の12球団勝利 大きな目標は「現役を40歳までやる」 古巣と師匠・和田への大きな恩返し

 「阪神3-0ソフトバンク」(21日、甲子園球場)

 アクシデントに見舞われながらも、古巣を相手に交流戦自身初白星を輝かせた。先発した阪神・大竹耕太郎投手(29)は、5回0/3を1安打無失点で3勝目。阪神では4人目で、育成出身の選手では史上初となる12球団勝利の偉業を達成した。両リーグ最多タイとなる今季15度目の完封勝利も導き、お立ち台に笑顔を咲かせた。

  ◇  ◇

 大竹のプロ野球人生において、長期的かつ大きな目標がある。

 「現役を40歳までやる。ただやるだけじゃなくて、1軍で投げるイメージで」

 昨季限りで引退したソフトバンク・和田との自主トレを始めた時に設定したものだ。43歳まで現役で活躍していた、憧れの先輩の姿を間近で見て影響を受けたことがきっかけだった。

 今月29日には30歳を迎える。「この1年、最初はケガからで。だけど40歳までやるっていうのを考えれば、そういうケガの経験も生かしていければいいかなって」。節目のシーズンは春季キャンプ中の下肢の張りで開幕から出遅れたが、長い目で見た時にプラスに捉えることができた。

 「今年一年に懸けるけど、懸けすぎず」と左腕。2年間足踏みしてきたが、力みすぎなかったことが偉業達成へとつながった。5年間所属していたソフトバンクからの白星を、最後に残してつかんだ12球団勝利。プロの礎を築いてくれた古巣と、目標をくれた師匠・和田に大きな恩返しとなった。(デイリースポーツ・和泉玲香)

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