【佐藤義則氏の眼】交流戦は借金生活の阪神 選手にのしかかる「連敗」プレッシャーから抜け出る良薬は?
「楽天5-4阪神」(14日、楽天モバイルパーク)
阪神はサヨナラ負けで今季初の5連敗。5試合連続逆転負けは1976年以来49年ぶり、逆転負け13度目は両リーグワーストを更新し、交流戦は5勝6敗と借金生活に転落した。1点を追う九回、押し出し四球で同点としたが、延長十回、7番手の岩貞が石原に左前適時打を浴びた。デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏は「リリーフ陣に負担をしいる状況」を危惧する。
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前カードの西武戦で救援に失敗した湯浅と桐敷が、この日もリードした場面で登板し、ともにピリっとしなかった。
湯浅はなんとかゼロに抑えたが、いい時と比べてスピード、制球力とも落ちている。桐敷もボールの勢いを欠いていた。打たれたくないという意識が強いのか、良さである思い切りが足りない。村林に浴びたタイムリーも内角へ投げきれず、外の球を右前に運ばれた。
ともに西武戦で打たれたことが尾を引いている印象を受けた。ただ、それまでは素晴らしい投球を続け、ほとんど打たれていなかった。たまたま2試合続けて打たれただけで、そんなに深刻になることはないだろう。
石井が離脱した影響はあると思う。その分、2人ともより重要な局面での登板となり、「抑えなければ」というプレッシャーを感じているようにも見える。ただ、これも慣れの問題で、ともに経験のある投手なので、そこまで心配することはない。調子を取り戻させるために、リードされている場面で起用するなど、少し負担を軽くするのも一つの手だろう。
この試合では先発の大竹が5回で交代した。球数はまだ88球。投げるスタミナのある投手だし、五回に3安打で1点は失ったが、打たれながらも抑えていくタイプであることを考えれば、最低でもあと1回、もしくは2回は投げられたと思う。この試合に限らず、最近の阪神はまだ投げられそうなのに早めに先発を交代させる試合が見受けられる。そのこともリリーフ陣に負担をしいる状況を生んでいる。
この試合は打線も14安打を放ちながらあと一本が出なかった。そして投手陣が踏ん張り切れなかったのも、行き着くところは「連敗」のプレッシャーが選手の背中にのしかかっているからだ。とにかくまず1勝。力のあるチームなのだから連敗から脱出できれば、事態は好転する。
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