なぜ阪神は敵地で圧倒的に強いのか?10日から今季初ビジター6連戦 藤川監督が明かす“心得”
4連勝中で首位の阪神は10日から西武戦(ベルーナ)、楽天戦(楽天モバイル)と、今季初のビジター6連戦を控える。58試合を終えてホームが16勝13敗1分けに対して、ビジターは19勝8敗1分け、勝率・704で、ホームを1割以上も上回っている。一気に首位固めを狙う猛虎が敵地で強い理由に迫った。
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なぜ猛虎は敵地で圧倒的な強さを誇るのか-。マツダスタジアムでシーズン開幕を迎える前日、藤川監督は“ビジターの心得”を明かした。「先に攻撃が始まりますから。攻めの姿勢で襲いかかる」。受け身にならず、先手必勝。開幕戦では指揮官に呼応した佐藤輝が、初回先制2ランを放って白星発進につなげた。
藤本総合コーチが「ウチは投手陣がいいからね。どんどん攻めて、先取点を取ればいいというのはある」と強調するように、先制した試合はビジターで14勝2敗。勝率・875で、ホームでの・706を上回っており、敵地では先行逃げ切りがより顕著となっている。
打撃2冠の佐藤輝は17本塁打のうち、敵地で12発。ビジター球場での量産だが、佐藤輝は「(狭い球場は)気持ちの面も大きいと思います」と持論。チーム36本塁打のうち、25本が敵地弾とあって、森下も「甲子園はやっぱ広いんでね。野手としてはちょっと不利に働いている」と推察する。森下のビジター打率は・313。昨季の・240から大幅に向上しているが、「それは自分自身がレベルアップしてるから」と胸を張る。
和田1・2軍打撃巡回コーディネーターは「よその球場は器の大きさも風も違う。打球方向だったり、配球も変わってくるけど、その読みができる選手がレギュラーになっている」と太鼓判。各球場に合わせた打撃に頼もしさを覚える。
先発ローテでは村上と才木の二枚看板が安定感を発揮。2人がカード頭を担うことで、ビジター3連戦の“初戦必勝”を狙えることが大きい。才木はビジター6試合で4勝1敗の好成績を残すが、「(気にするのは)球場の広い狭いぐらい。ビジターの方が、練習が終わってからブルペン準備まで早いけど、それも気にならないですね」という心構えで戦う。
“金曜の男”村上は、「(本拠地と敵地で)そこまで変わりはないですけど、ビジターはビジターでいいところもあります」と主張。「(相手先発が)先に投げてくれるので、ちょっとゆっくりして、休憩してから上がれる」。プレーボールから初回のマウンドに向かう間に、心身に余裕が生まれるようだ。
10日からのビジター6連戦。まずは西武とベルーナドームで激突する。佐藤輝にとっては21年のルーキーイヤーに1試合3発を放った思い出の地。「もう覚えてないっす」と冗談めかしつつ、「しっかり準備して頑張りたい」と気合を込めた。
森下もこれまでに確立してきた“敵地必勝法”を貫く構えだ。「パ・リーグの先発はすごくいいピッチャーが多い。またロースコアになると思う。早い段階で先取点を取って、そのままいきたいかな」。甲子園を留守にする1週間、猛虎は所沢と仙台で牙をむく。(デイリースポーツ・丸尾 匠)
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