阪神・ドラ3木下 聖地沸いた155キロ!1軍デビュー即オースティンK斬り 1回1失点「次は球場にのみ込まれないように」
「阪神1-5DeNA」(29日、甲子園球場)
阪神はDeNAに敗れて連勝が3でストップ。同一カード3連勝とはならなかったが、九回には阪神のドラフト3位・木下里都投手(24)=KMGホールディングス=がプロ初登板を果たした。1回1失点も、この日最速で155キロを記録するなど甲子園を沸かせた。
1点こそ失ったが、木下は最速155キロをマークするなど、150キロ台を連発。堂々たるプロデビューに甲子園は大きな拍手に包まれた。
「もちろん楽しみにしてたところなんで、初めての登板はうれしい気持ちはありますけど、結果1点を取られてしまったので、悔しい気持ちを次につなげられるようにってところですね」
3点ビハインドの九回、ついに出番がきた。リリーフカーに乗り、歓声を浴びながらマウンドへ。木下の表情には少しの笑顔があった。1軍に昇格してからちょうど1週間。待ちに待った瞬間だった。
セ界を代表するスラッガーを抑えた。先頭のオースティンに対し、初球から154キロを計測。スタンドからはどよめきが起こる。強気の直球攻めから、最後はプロに入ってから磨きをかけてきたスライダーで空振り三振に仕留めた。いきなりの奪三振にスタンドの虎党は大きく沸いた。
ただ、簡単にいかないのがプロの世界。1死から度会に155キロを左線に運ばれた。森下が処理に手間取る間に三塁に進まれると、続く山本の左犠飛でプロ初失点を喫した。「中継ぎは一球一球が大事になるので、そういうところを投げきらないと接戦を任せてもらえない」と唇をかんだが、最後は柴田を二ゴロに封じてマウンドを降りた。
昇格から、なかなか登板がなく「一生ブルペンでうずうずしてますよ。早く投げたい」と気持ちを吐露していた右腕。投球の感覚を失わないために、試合前練習では毎日ブルペン入り。中継ぎ陣が練習を切り上げる中、最後まで残って投げ込んでいた。
プロ初登板は悔しさも残ったが、甲子園を沸かせた投球だった。「大観衆の中で投げることが初めてで、フワフワして落ち着かない感じで投げていたんですけど、一度経験できたのはいいこと」と収穫あり。「次は球場にのみ込まれないように。自分自身のピッチングができるようにやっていけたら」と力を込めた。この経験を糧にし、虎のブルペンを支える存在に成長していく。
◆木下 里都(きのした・りと)2001年1月27日生まれ、24歳。福岡県出身。183センチ、90キロ。右投げ右打ち。投手。福岡舞鶴高-福岡大-KMGホールディングスを経て、24年度ドラフト3位で阪神入団。社会人入りしてから最速156キロをマークするなど才能が開花。変化球はカットボール、ツーシーム、カーブなど多彩。ウエスタンでは19試合に登板して0勝3敗。
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