「阪神４－０巨人」（２０日、甲子園球場）

　矢のような送球が阪神の三塁・佐藤輝のグラブに収まった。きわどいプレーにも塁審は迷わずアウトのジャッジ。甲子園は大きなどよめきに包まれた。華麗なプレーを演じたのは中堅・近本光司外野手と二塁・中野拓夢内野手の１、２番コンビだ。「自分のやることをしっかりやっただけです」と近本。守備で才木の今季初完封をアシストした。

　四回２死。先発の才木が速球を中山に捉えられた。飛球は右中間フェンスを直撃。近本はクッションボールを処理し、素早く中継役の中野へ。二塁定位置からかなり後方に下がって受けた中野は、二塁を回る中山を刺そうと迷いなく三塁へ送球。佐藤輝が走者を待ち構えるグラブへすっぽり収まりタッチアウトとなった。このビッグプレーを中野が回想した。

　「クッションから返ってきて、外野手が捕りに行くまでの時間と中山選手が三塁行くか行かないか。あとは球場の雰囲気もありました。森下が『サード！』って声も出してくれたんで、迷いなく一発で投げられた。テル（佐藤）もうまくタッチしてくれた」

　守備だけでなく、打撃でも勝利に貢献した。まずは中野。初回１死から左翼線際に落ちる一打で続く森下の２ランをアシスト。「初回に打つ、打たないで後の打席の気持ちも変わります。早い段階でヒットを打てたのは良かった」と流れに乗ると、二回も右前打を放った。

　近本は五回に先頭で左前打、七回に１死二塁から右前打と１、２番コンビがマルチ安打。「（七回は）しっかり打線となって１点が取れた」とリードオフマン。クリーンアップへ橋を架ける１、２番コンビの働きが猛虎打線を支えている。