阪神・村上 2年ぶり完封 ハイキュー!!から拝借「思い出なんかいらん」精神で両リーグトップ5勝
「阪神4-0ヤクルト」(2日、甲子園球場)
122球の熱投で本拠地に詰めかけた子どもたちを笑顔にさせた。阪神・村上頌樹投手(26)が今季チーム一番乗りとなる完封勝利。5安打7奪三振無四球で両リーグトップの5勝目を挙げ、チームの連敗を4で止めた。「ゴールデンウイーク こどもまつり」として開催された一戦。頼れる右腕「むらかみ」が、子どもたちにこれ以上ない勝利を届けた。
「あと1球」コールが響く中、力ない打球が打ち上がると、聖地のスタンドに熱気と歓喜が渦巻いた。自身初の甲子園零封を122球で決めて、ポンとグラブをたたいた村上。「阪神ファンはすごいので、その中での完封で。最後のバッター一人のときも応援がすごかったです」。4万2600人の大声援を力に変えて躍動した。
23年9月1日(神宮)以来のヤクルト戦、2年ぶりに向き合ったツバメ打線を完璧に封じ込めた。「スライダーが良かったんじゃないかと思います」。その言葉通り、初回先頭の西川をスライダーで空振りに切ったのが、0行進の幕開けとなった。
散発5安打の無四球。3ボールまでいったのもわずか2度と、制球力が光った。得点圏に走者を進めたのは二回の1度きり。六回に佐藤輝の一撃で先制点がもたらされると、ボールをにぎったまま白い歯をこぼした。「3点取ってもらったところで、あと3イニング、しっかり自分が一人で投げきると思いました」。九回、最後のバッターとなったオスナにはこの日最速148キロをマーク。スタミナ切れとも無縁だった。
3月28日の開幕戦では完投勝利を目前にした九回2死でマウンドを譲った。「悔しさがありました。終盤になればなるほど、あのことを思い出しますし。やっぱり投げきりたいという気持ちが強いので。今日は投げられて良かったと思います」。23年4月22日・中日戦(バンテリン)以来プロ2度目、今季チーム一番乗りの完封勝ち。静かに喜びをかみしめた。
「思い出なんかいらん」-。左手にはめるグラブにプロとしての信条を刺しゅうで刻む。グラブに入れる文字は3年連続でスポーツ漫画「ハイキュー!!」から拝借。毎年言葉は変えているが、今季は「1年1年を大事にやりたいと思うので」という理由で選んだ。過去の栄光にすがることなく、今年最高の結果を残すことだけを考える。
ゴールデンウイークも後半に突入。今カードは「こどもまつり」として開催される。「子どもたちに自分らは勇気を与えられるように。そういうのが今日はできたんじゃないかな」。チームの連敗を4で止め、両リーグ単独トップ5勝目をつかんだヒーローの勇姿が、虎党キッズの記憶に深く刻まれた。
◆村上、プロ2度目の完封 村上が9回122球を投げ、5安打7奪三振の快投でプロ2度目の完封勝ちを達成。1軍初勝利となった2023年4月22日の中日戦(バンテリン)以来となるシャットアウトを演じた。また、甲子園で初の完封勝ち。チームとして甲子園での完封勝ちは昨年4月21日・中日戦の才木以来。
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