阪神 聖地沸いた!前川V打 初回5連打イッキ4点 6試合目やっとホーム初星 今季初虎党六甲おろし大合唱!

 「阪神6-3中日」(11日、甲子園球場)

 みんな、この勝利を待っていた。阪神は初回、前川右京外野手(21)が勝ち越し2点適時打で5連打を締めくくり、逆転勝利。球団最長となる今季本拠地6試合目での、甲子園初勝利を挙げた。連敗は「2」でストップとなり貯金も「1」。奏でられた六甲おろしの大合唱とともに、藤川球児監督(44)にとっても忘れられない白星となった。

 押せ押せムードの甲子園を大熱狂の渦に包み込んだ。前川の一打にメガホンの音と歓声がこだまし、虎党はハイタッチを交わす。待ちに待った聖地の光景。二塁上ではカモメポーズを一瞬忘れ、自然と拳を握るヒーローの姿があった。「久しぶりに、丁寧に打てたかなと思います」。初回、5連打による一挙4得点の猛攻を21歳の若虎が締めくくった。

 初回1死から中野と佐藤輝でチャンスメーク。森下が同点打を放ち、大山もつないだ。先輩たちの勢いに負けじと、フッと息を吐いて打席へ。高橋宏の151キロ直球を捉えた。「お願いします。抜けてくれ」。願いは通じた。三塁線を破り、決勝の2点勝ち越し適時二塁打。自身にとっては開幕戦以来のタイムリーとなった。

 甲子園開幕の8日にはレジェンドOBの金本知憲氏と一緒にレフトの定位置へ就いた。たった数分の会話。贈られた言葉は「真っすぐに強くなれ」。智弁学園時代には指導を受けた。そんな大先輩の思いに応え、高橋宏の直球を捉えて決勝打。でも満足はしない。

 悔やんだのは三回1死の2打席目。速球を捉えたが、中堅正面の強い打球はグラブに収まった。「どう間を抜けるか、頭を越えるか。今後、大事になってくる」。だからこそ、決勝打よりも自己評価したのは七回無死一塁での右前打。しっかりと橋本の150キロの直球をはじき返した。

 プロ4年目。技術だけでなく、気持ちも強くなってきた。オープン戦の終盤は不調で、なかなか安打が出ない日々。そんな時もネガティブな感情はなかった。

 「周りの人は落ちてるって言いますけど、逆に1回は10打席ぐらいノーヒットで良かったと思いますよ」

 常に好調なんてありえない。それは昨季1軍を完走したからわかったことでもある。シーズン開幕後も決して絶好調だったわけではない。それでも、出塁なしは1試合だけ。打てなくても四球を選ぶなど、仕事を果たしてきた。

 先発全員安打の爆発によりホームで、甲子園で今季初勝利。お立ち台の景色も懐かしかった。「本当に心強い、力強い応援を毎回してくれる。背中を押されて、頑張れます」。虎党の熱狂的な応援が力になった。まだ聖地で1勝。ここから甲子園で何度も歓喜の渦を巻き起こす。

 ◆今季初の先発全員安打&今季最多14安打 「9番・投手」の村上を含め今季初の先発全員安打を記録、さらに4日の巨人戦(東京ド)の13安打を更新する今季最多の14安打をマークした。先発全員安打は2024年9月13日の広島戦(甲子園)以来。また、1試合14安打以上は24年9月18日の中日戦(バンテリン)で15安打して以来となる。

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