阪神・前川 初体験のジェット風船も後押し!好機拡大の右前打「きれいでした」 打率・450で好調キープ

 7回、右前打を放つ前川(撮影・北村雅宏)
 7回、右前打を放つ前川(撮影・中田匡峻)
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 「オープン戦、阪神2-8巨人」(9日、甲子園球場)

 黄色の余韻が冷めやらぬ聖地に快音が響く。6年ぶりの光景にナインも背中を押された。初体験の阪神・前川右京外野手は「きれいでした」と短く答えた。グラウンドで戦う選手が感慨に浸る時間はない。それでも“見えない力”はバットに宿った。七回だった。

 大山の出塁後、無死一塁で前川が打席に立った。左腕・森田に対し1ボールから2球目、甘く入ったツーシームを見逃さなかった。右翼手の失策もあり二、三塁と好機拡大。得点につなげた主軸の連打に、球場のボルテージも最高潮に達した。

 ここまで打率・450。確かな数字が残る一方、試合後は課題と向き合う。悔やんだのは九回の第4打席。「肩が前に出て、なんでもかんでも振りにいってしまった」と、フルカウントからフォークを引っかけ一ゴロに倒れた。まだオープン戦。反省は収穫に変わる。

 「次の試合でしないようにという準備、また違う準備の仕方ができる。凡打にはなりましたが、逆に良かったなと思います」。飽くなき向上心が21歳の成長を支える。ジェット風船も、安打も、凡打も明日につながる経験。全てを吸収して次戦のバットに思いを込める。

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