「オープン戦、楽天７－７阪神」（２２日、金武町ベースボールスタジアム）

　目標の開幕投手へ、上々の滑り出しだ。藤川阪神のオープン戦初陣を託された村上が２回１安打無失点。テーマに掲げた直球主体のピッチングで、金武に詰め掛けた虎党を沸かせた。

　「まずはゼロに抑えられたので良かった。真っすぐの質というのを意識してやっていましたし、新しい変化球もいろいろ試せたので良かったなと思ってます」

　ラストボールに復活の予感が漂う。０－０の二回２死三塁から糸を引くような直球が外角低めに決まった。「あそこの原点に投げられるようにずっとやっている。高さも低くいけて良かった」。フランコを見逃し三振に斬り、躍動感たっぷりにマウンドを降りた。

　新球の試投も大きな収穫だ。二回は４番・浅村を挑戦中のスライダーで中飛に。「打ち取れた球もあった。もう少しコントロールできれば。使っていければもっと楽になると思うので精度を上げていきたい」。開幕まで１カ月余り。課題も伸び代に捉えられる。

　注目の開幕投手について藤川監督は「明日も違う投手が投げますから。健康でいるかどうか、明日、あさって聞いてみないといけない。しっかり回復を見たい」と話すにとどめたが、有力候補であることは間違いない。村上も自覚十分だ。「開幕はしたい場所でもあるので、そこを狙って調整してきたい」。初の大役を目指して、少しずつギアを上げていく。