阪神・湯浅 2月下旬にも実戦復帰 難病克服への経過順調 20~24日練習試合で1イニング登板見込み
国指定の難病「胸椎黄色靱帯骨化症」からの復活を目指す阪神・湯浅京己投手(25)が、早ければ2月下旬にも実戦復帰することが27日、分かった。昨年8月下旬の手術以降、リハビリは順調。春季キャンプは具志川組(2軍)スタートながら、7カ月ぶりとなる実戦登板が見えてきた。結果を残し続けることができれば、開幕1軍入りも現実味を帯びてくる。
虎党のハートを熱くしたアツアツな勇姿が、来月にもマウンドへ戻ってくる。湯浅は今春キャンプはリハビリ組として具志川でスタート。慎重に調整を進め、まずはシート打撃に登板して、藤川監督やコーチ陣からOKが出れば、実戦復帰が可能となる。
具志川組は2月20日に2軍練習試合・日本ハム戦(名護)、同22日に同・韓国ハンファ戦(具志川)、同24日に社会人チームとの対戦(具志川)を予定。右腕は状態次第となるが、3試合のいずれかで、球数制限付きで1回を投げる見込みだ。実戦登板すれば昨年7月10日のウエスタン・くふうハヤテ戦以来、7カ月ぶりとなる。
ここまで歩みを止めることなく、着実に再起に近づいている。昨年11月からブルペン投球を再開し、強度と球数を徐々に上げるなど経過は良好。昨年末には藤川監督から「彼の心意気とか、成長、頑張りは見たい」と復活に期待の言葉をかけられていた。
難病克服への“指針”もあった。球界ではDeNA・三嶋、中日・福、ロッテ・岩下が「胸椎黄色靱帯骨化症」を罹患(りかん)したが、それぞれ復帰を果たした。三嶋は22年8月下旬に手術を受けて、春季キャンプ中の23年2月22日に実戦復帰。湯浅が目指す復活ロードに重なっている。
湯浅は22年に59試合で2勝3敗43ホールド、防御率1・09で最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。23年3月はWBCに出場した日本代表の一員として世界一を経験。同年は度重なるケガに泣かされたが、11月1日のオリックスとの日本シリーズ第4戦で5カ月ぶりに1軍登板。同点の八回2死一、三塁で中川を1球で打ち取って勝利に貢献し、強烈なインパクトを残した。
昨季は4年ぶりに1軍登板がなかった。8月に「胸椎黄色靱帯骨化症」の手術を受け、「投げられなくなったらどうしようと。恐怖感というのが一番に来た」と不安を漏らした。前を向いて鳴尾浜でリハビリを進める日々。「下半身の感覚が全然違う」と状態に手応えをにじませることもあった。
今オフは沖縄で自主トレ。リハビリと同時にフォーム固めを行った。一番の目標として掲げてきたのは「開幕1軍」。“恩返しの7年目”へ少しずつギアを上げていく。
【湯浅の経過】
◆23年11月1日 オリックスとの日本シリーズ第4戦。同点の八回2死一、三塁から1球で中川を打ち取って勝利に貢献。
◆同2日 同第5戦。2点ビハインドの八回を無失点に抑え、勝ち投手となる。
◆24年7月10日 ウエスタン・くふうハヤテ戦で最後の実戦登板。
◆8月25日 球団が「胸椎黄色靱帯骨化切除術」を受け、同日に福島県内の病院を退院したことを発表。
◆同27日 鳴尾浜の屋内でリハビリを開始。
◆9月16日 鳴尾浜でキャッチボールを再開。15メートルの距離で約30球。
◆11月11日 鳴尾浜で術後初ブルペンで10球。
◆同15日 鳴尾浜で術後3度目のブルペン入り。捕手を立たせて約30球。軽めの投球で最速122キロを計測。
◆同20日 契約更改に臨み、1000万減の3700万円でサイン。
◆12月3日 鳴尾浜で術後2度目の捕手を座らせてのブルペン投球。8割の力感で20球。
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