阪神先発勝利1号 伊藤将の良さ凝縮7回5安打2失点 DeNA度会封じて通算30勝到達

 力投する先発の伊藤将
 伊藤将(左)にウイニングボールを渡した岩崎
2枚

 「阪神5-2DeNA」(3日、京セラドーム大阪)

 低く、丁寧に、粘り強く。阪神・伊藤将司投手(27)の良さが72球に凝縮された。「すごく人が多いなって」。スタンドを埋めた虎党を味方に、ほどよい緊張感も力に変える。「野手のみんなに助けてもらった1勝なので、本当にうれしく思います」と振り返ったが、バックの好守も逆転劇も、左腕の踏ん張りが呼び寄せた。

 初回1死からオースティンにソロ弾を浴び、二回2死二塁では石上に適時打を献上。「思ってたより高めにいってたんで」。打たれた理由は明確。三回以降、プロ4年目の経験を生かし“意識改革”に踏み切った。

 「ワンバンするぐらいで投げてたら、そこがいいぐらいだった。三回ぐらいから徐々に球が低くなってきたんじゃないかなと思いますね」

 三回無死一塁から度会を二ゴロ併殺打。五回には木浪の美技にも助けられ、再びゲッツー。「テンションが上がりました」と森下の逆転弾にはベンチで激しく手をたたいた。本来の打たせて取る投球がリズムを生み、野手も好循環。この修正力が将司の持ち味だ。

 オープン戦では、らしくない投球が続いた。2月23日の巨人戦(那覇)では3回7失点。3月6日の楽天戦(甲子園)でも4回2失点とスッキリしない。「もうちょっと真っすぐの強さがあってもいい」。本来の直球を取り戻すため、原点に立ち返った。

 すぐに映像でフォーム確認。昨季よりもリリースポイントが後ろになっていることがわかった。その差はボール2個分とわずかな違い。その誤差が球を押し込めなくなっていた。改善点を見つければ復調に時間はかからない。「去年と同じフォームに近づいた」と3月13日のロッテ戦では5回無失点で手応え。球持ちの良さが打者のタイミングをずらした。

 逆転直後の七回はクリーンアップを8球で三者凡退。7回5安打2失点での今季初勝利は、チームの先発初白星にもなった。通算30勝にも到達。「どんどん投げて、100勝とか目指していけたらいいなと思います」。まだ、高みを目指せる。伊藤将の巧みな投球は熟練の域に近づいている。

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