阪神 佐藤義則氏が指摘「阪神バッテリーが許した八回先頭打者本塁打の危険性」村上、伊藤将にも言及
「オープン戦、ソフトバンク4-0阪神」(20日、ペイペイドーム)
完敗を喫した阪神。29日に迫る開幕を前に、ここまでの勝敗を心配する向きも多いだろう。本紙評論家・佐藤義則氏が阪神の現状について分析した。
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阪神は前日、村上が炎上しこの日は伊藤将が6回3失点と、ローテーション投手が安定感を欠く試合が続いており、不安と感じるファンもいるだろう。
ただ結論としては、投手陣に大きな心配はないと見ている。総合力は高い。その中で、いくつか消化すべき課題はもちろんある。一つは、昨年結果を出した若い投手たちが「これでいい」と安心してここまできてしまったように見えること。
もう一つ、全体に共通するのはボールがやや高い、というところだ。この日先発した伊藤将もそうだ。
150キロ以上の直球でどんどん押せるピッチャーではないだけに、低い球で打たせて取る投球に徹してほしい。となれば、今季の伊藤将は体重移動に多少の改善を求めたい。
踏み出す際に、左投手であれば右腰から捕手方向へ体重を持って行って欲しいのだが、右足から出て行っている印象がある。こうなると、実はそれほどでもないのだが左手が遅れてしまい、開いて投げているように見える。
この“遅れ”を取り戻そうと、腕で合わせてしまうため、制球が手先に頼ることになり、どうしてもボールがばらつく。
例えば青柳であればサイドから強い球でフライアウトを取ればいい。伊藤将は低めの制球が生命線となる。ゴロのアウトを重ねていくことが自身の持ち味と認識して、少し修正をほどこせばいいように見えた。
各投手に関する課題はそうしたレベルであり、少々の改善でなんとかなると思う。打線では中野の不振も、しかるべき対処をすればいいだけだ。
この試合で一番、気になったのは八回だ。石井が登板し、先頭・栗原に初球、直球を本塁打された。捕手は長坂。
先に触れたように、昨年結果を残した若い投手に大きな上積みはない。しかも全体にボールが高い。となれば、投手が石井であってもキャッチャーが、代わりばな、初球にストレートを要求する意味が分からない。相手打者が何を狙うかを考えても、最悪の選択だ。
阪神というチームに不備はないだろうが、リリーフピッチャーは、どんな球種でもマウンドに上がった瞬間に100%のものを出せる準備をブルペンでしておくのが当然だ。石井もその準備をしていたはずだ。もし初球がボールになっても、石井が四球で崩れることは考えづらい。
ならば先頭打者に初球の直球を本塁打されるような配球は、あってはならない。シーズンでは命取りになる。ここは、バッテリー全体の課題として共有しておきたい。
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